戸惑っている私を横目にジンちゃんは服を脱ぎ、一糸まとわぬ姿になった。そして、天井に吊るされていた赤い布に包まるように体に巻き付けると…、彼女は身をよじるようにしてドンドンと上昇していった。
えっ! なんだコレは!!
私は腰を抜かしそうになった。今や彼女は、いわゆる宙吊り状態だ。思わず、「雑技団か!」と言いそうになってしまうほどの状況である。逆さ吊りになったジンちゃんは、手招きして近付くように促してきた。
いったい、何をされるのか…。不安を抱きつつ近付くと、逆さ吊りのまま両手で私の腰をつかみ、ガシッという感じで股間を引き寄せ、フェラし始めた。しかも、身体を回転させながら! もちろん、こんな体勢でのフェラは私の人生で初めてのことだ。
基本的に、私は仁王立ちしているだけで、あとはジンちゃんが器用に身体をよじり、布を巻いて上昇したり下降したり、いろいろなポジションでフェラやキス、全身リップという流れだ。あまりにも非日常的で興奮した私は、それだけで発射しそうになった。
股間の微妙な膨張を察したのか、ジンちゃんは身体のポジションを空中でうつ伏せになるように持ってきた。宙吊りなので、いわゆるスーパーマンやウルトラマンの飛行体勢だ。そのスタイルで私の腰辺りまで降りてきた。そして、「どうぞ!」的にうながしてくるジンちゃん。つまり、このままインサートということだが、布に吊るされているだけの彼女は、当然のことながら不安定。それでも、空中でうつ伏せのジンちゃんとどうにか合体。スタイル的には、学校の運動会で行った組み体操の“サボテン”のようであった。または、“変形立ちバック”とでも言おうか。
この体位が、ことのほかコントロールが難しい。突くと、布に吊るされているだけなので、その反動で遠くへ行ってしまうのだ。そこで、腰をガッシリと掴むと安定したので、ガンガン突いてみた。するとジンちゃんは、身体をビクンビクンさせながら「アァ…」と声を出して悶えた。
宙吊りでビクンビクンと痙攣することで肉棒が引っ張られる感覚になり、これが絶妙な刺激となった。突くほどにビクン!と悶えられ、その結果、私は吊るされた女性を相手に果てるという初めての体験をすることになった。
コトが終わり、再びウーさんと合流すると、第一声は「良かったでしょ?」だった。聞けば、この風俗は古くから『赤ふん風俗』、つまり、吊るされていた布を赤いフンドシに見立てて、そう呼ぶそうである。嘘か真か、日本で宮沢りえがカレンダーでフンドシ姿を披露した際には、日本からたくさんのお客さんが来たとウーさんは言う。まぁ、さすがにそれは冗談だろう(笑)。しかし、この『赤ふん風俗』は間違いなく刺激的で面白かった。しかし、この風俗は、高度な技術が必要とされるために、年々やれる女の子が減っているそうだ。世界性文化遺産として、是非残ってほしいものである。
(文=美田三太)