平成生まれの泡姫だけが在籍する“格安系”ソープランド


 筆者の風俗ライターとしての経験上、評価の芳しくないお店は、待機場などのバックステージからして雰囲気がよろしくなかったりすることが多い。それは、お店の雰囲気のために女のコたちが“やさぐれて”いるのか、はたまたその逆かは分からない。2年前、ある人妻デリヘルに在籍する23歳の女のコを取材したときのこと。そのコは、録音用のレコーダーを止めたときにタメ息交じりに「待機場の雰囲気が悪くて…」と漏らした。

 聞けば、30歳以上の世代と平成生まれの間で派閥ができ、客の取り合いや足の引っ張り合いがあるのだという。筆者としては、たかだか生まれた年の差で、考え方が大きく変わるとは思えないが、彼女にすれば「オバさんの考えていることは古臭くて…」ということだった。おそらく、逆に30歳以上の女性にすれば、「若いコの考えていることは分からない!」となるのだろうが…。それでも、世代間のクッション的役割をしているのが、当時25歳前後の“ギリショー”のお姉さんたちだとその若妻風俗嬢は教えてくれた。理由はズバリ、両世代の感覚を持っているからだった。

 話を吉原の『D』に戻せば、その店は現在27歳までの女性、つまり平成世代を採用していることがウリである。となれば、平成の世が続くほど女のコの年齢は上がるということだ。現在は27歳までの女性が在籍でき(実際は21歳前後が主流)、学園系ソープランドとして展開しているが、いずれこのコンセプトには無理が出てくる。マナちゃんのいう“和気あいあい”とした雰囲気にも変化が出るのかもしれない。しかし、そうなればそうなったで、サービス精神と企画力あふれるこのお店であれば、さまざまなコンセプトで楽しませてくれることだろう。いずれにせよ、時代・世代の組み合わせで、面白いお店が増えれば、公私ともに風俗にお世話になっている身としては、これにまさる喜びはない。
(文=子門仁)

men's Pick Up