まるで東京の九龍城? 駅前ビル内のファッションヘルスは異空間の佇まい


 今回見つけたファッションヘルス『D』であるが、怪しげなアジア系マッサージ店が並ぶフロアの奥まった場所にあった。人目につきにくい場所ではあったが、近くには居酒屋があったりと、それはまさに商店街の中の風俗店といったテイである。こういった場所ならば、仕事途中の会社員でもフラリと寄ることができるのかもしれない。

 驚いたのは、コースと料金設定だ。価格は時間帯によって異なるが、最安値が40分コース8,000円で、最高でも1万円ジャストだった。お小遣いの少ないオジサンたちには、ありがたい時間&料金設定だろう。筆者が訪れたのは午前中の時間帯だったが、待合室には2名の先客がおり、両者ともスーツを着ていることから、営業などの途中に寄ったものと思われた。

 また、これ以外にも“サラリーマン向け”だなと感じたのは、「待たせない」ということだ。筆者は、先客がいたが指名をしなかったため5分以内で案内されたが、プレイ後に店を出る際、スタッフがお客さんに「今からですと、ご指名なしでも20分ほどお待ちになりますが、いかがいたしますか?」と、待つ場合は正直に申し出ていたのである。

 仮に、サラリーマンが休み時間などを割いて来店したとすれば、1分1秒でも大切にしたいところだろう。それを配慮しての対応は、このビルで営業をしている店ならではのサービスだと実感した。もちろん、仕事中だったとすれば、なおさらだ。

 さて、実際にこのお店でプレイした筆者の感想だが、正直なところ、店内の古さは否めない。ビル内のテナントということで、部屋も天井がやや低く、決して広いとは言えない。しかし、その分、凝縮された空間のようであり、密着感が高く思えた。なんでも、30年の歴史があるとのことで、筆者の風俗歴よりも長いことを考えれば、貫禄にさえ思えてくる。

 女の子はさまざまなタイプと年齢層が揃っているようだったが、筆者のお相手になったミカちゃんは21歳と、かなり若かった。「わたしも、こんな場所にお店があるだなんて、意外だったんですよ(笑)」と、笑顔が素敵な女の子だ。

 プレイ自体はキスからの全身リップ、攻守交替してコチラが責める、そして、フェラでフィニッシュという流れであった。オーソドックスであり、「これぞファッションヘルス!」という王道のパターンであるが、40分間で、1万円以内でここまで楽しめるのであれば、素晴らしいと思う。

 また、ミカちゃん自身も「お客様は、雑居ビルの中で、こんなことをするという“密会的な気持ち良さ”がタマらないという方が多いです」と言うように、女の子と二人だけの秘密を持ってしまったという意識も、恋人感覚を深めているように思えた。

 プレイ後、店を出ると、オフィスも入っている建物ということで、当然のことながら、目の前を仕事中のサラリーマンが歩いていた。それが、筆者を“雑居ビルの中”であるという現実に引き戻す。この不思議な感覚は、立地ならではだろう。場合によっては、多少の後ろめたさを感じてしまうかもしれないが、それこそが、このような穴場的な風俗店の醍醐味なのではないだろうか?

 現在、この『D』が入っているビルは、再開発による解体、建て直しがウワサされている。実施されるとしても2020年以降とのことであるが、現在の都内の風営法を考えると、継続することは微妙である。“性風俗歴史的文化遺産”として残ってほしいと強く願う筆者なのであった。
(文=子門仁)

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