連続ドラマ史上初の“ガールズラブ”を描く『トランジットガールズ』に考えられる不安要素


 ただ、マイノリティーといえるカテゴリをドラマの題材に取り上げると、視聴者からさまざまな意見が上がる傾向にある。“女子中学生の妊娠・出産”をテーマにした2006年の『14才の母』(日本テレビ系)には、「多感な年齢の子供たちに悪影響があるのでは」「ドラマとしては美しくても現実は違う」との批判的な声があった。

 また、“児童養護施設で暮らす子供たち”を扱った昨年の『明日、ママがいない』(前同)も、「施設はそんな場所ではない」「いくらドラマでももう少し内実を知ってから作ってほしい」とのコメントが寄せられた。もちろん、制作サイドの積極的な姿勢を評価する声も聞かれたが…。

「大ヒットを記録した『Lの世界』は、ストーリーがほぼ実話で、脚本家もレズビアンだった。だからこそ、リアリティのある描写ができ、それが多くの人に支持されたのでしょう。今回の『トランジットガールズ』は、2012年10月の放送開始以来、ティーンを中心に人気を博した恋愛リアリティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系)のスタッフが制作を手掛けるとのことですが、ドラマとしての面白さと現実的な部分のバランスをうまく取れるかどうかがカギとなるのでは。

 あまりにも実際のレズビアンの恋愛とかけ離れたシーンが続けば、『そんなのありえない』との指摘が出る可能性も高い。連ドラといっても深夜枠ですし、ある意味実験的な部分もあるのでしょうが、丁寧な脚本作りが求められると思います」(芸能ライター)

 このところ、東京都渋谷区や世田谷区が同性カップルを「結婚に相当する関係」と認め、証明書を発行するなど、同性愛に関する動きが活発化している。ドラマも、そうした流れを反映してのことと思われるが、新しい試みは視聴者にどう受け止められるのだろうか?
(文=サ乙)

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