また、イギリスのミュージシャンたちの面白い表現もある。リアム・ギャラガーはインタビューにおいて“ボンベイ・ロール”と言い、ザ・シャーラタンズのティム・バージェスは、『シャークス・サンドウィッチ』と表現している。おそらく、これは若者の間で使用されているスラングだろう。
さらに、イギリスでは『French fuck』と表現するが、パイズリの意味で使われはじめたのは、1900年代以降であるという説が強い。それは当時のイギリスでは性道徳が非常に厳しく、それに対してフランスはおおらかであったため、性的なプレイの多くにFrenchと付くようになったからだ。フレンチキスは、その好例である。
その性におおらかといわれるフランスでは、パイズリを指す言葉に『A la Pompadour』がある。直訳すればポンパドゥール方式という意味だが、このポンパドゥール夫人こそが、歴史上でパイズリの考案者であるという説が根強い。
彼女はルイ15世の愛人として名を残しているが、王自身はかなりの性豪で、その対象は少女、つまりロリコンであった。そこで、少女を忘れさせるため、成熟した女性にしかできないこの技を開発。そのため、ポンパドゥール方式と呼ばれるようになった…というのがパイズリ誕生物語として現在に語り継がれている。
ただし、フランスではこの表現をほとんど使用しておらず、なぜ世界的に広まったのかは不明である。なお、現在のフランスでは『A la Espagne』、つまりスペイン方式と呼ぶ。これは、スペインがフランスよりも、性に対してさらにおおらかということなのだろうか…。
さて、話を日本に戻すと、なぜ、ミカちゃんいわく「パイズリは今が旬!」なのだろうか?