筆者は、この数週間前に30歳の誕生日を迎え、その記念として先輩に連れてきてもらった立場であった。いわば、まだ二十代同然でもあるから、身分証明の提示を求められたのだ。
「大変申し訳ございませんでした。確認いたしましたので、存分に当店をお楽しみください」という言葉に送り出され、案内されたのは由美さんという23歳の泡姫であった。なお、代金は110分の入浴料金が大2枚小5枚で、女性のランクによって総額が異なっていた。
「当店は初めてでいらっしゃいますね? どうぞ、よろしくお願い申し上げます」と、綺麗な標準語で挨拶された。関西特有のイントネーションは一切ない。個人的には、女性の方言でご当地性を感じ、それを楽しみたい派なので、少し残念ではあったが…。
ルックスも“透明感のある美人”という言葉がピッタリな感じで、まるで女優のようで、どこか女子大生っぽさもある。そこで筆者はフと気が付いた。「もしかして、年下の泡姫って初めてかもしれない」と。
もちろん、ソープランドが初めてだったわけではない。しかし、それまで行った店のコンセプトなどでお相手の泡姫は年上ばかりであったのだ。それは、プロフィール上では年下でも目の前にくると…というパターンも含めてである。
だけど、目の前の由美さんは、肌の張りなどから間違いなく23歳だろう。そう思うと、初めてソープランドに行った時よりも緊張してしまった。
さらに緊張感を高めたのは、部屋の内装だ。ヨーロッパ調をベースにした上等なインテリアで統一され、ドアを開けた瞬間に高級感のある空間が広がっていた。アメニティに至るまで、こだわりが随所に感じられた。それは一流シティホテルのようであり、本当の恋人と一緒にいるような気分にさせてくれるのだった。
それでいて、接客自体は媚びるわけでもなく、絶妙な気のつかい方をしてくる。この時点で、30歳の筆者は高級店の雰囲気に飲み込まれていた。
「お風呂に入ってリラックスしましょうか」と、筆者の緊張を見透かしたようにニッコリと微笑む由美さん。それが合図となり、そこからはすべてが極上な瞬間の連続であった。