「アイドルとして度を超えた腹筋」といわれながらもファンを増やしている前述の田野をはじめ、NMB48およびAKB48に所属する山本彩(21)は雑誌「Tarzan」(マガジンハウス)で美腹筋を披露するなど驚異の肉体美で知られる。卒業メンバーでは元AKB48の秋元才加(27)がグループ在籍当時から凄まじい腹筋をアピールしていたことは有名だ。
また、老舗のハロー!プロジェクトでは℃-uteの矢島舞美(23)の腹筋が「アスリート並み」「割れすぎている」と話題に。矢島は筋肉質になりすぎて事務所から「筋トレ禁止令」を出されたこともある。モーニング娘。’15の生田衣梨奈(いくた・えりな/18)や石田亜佑美(いしだ・あゆみ/18)の腹筋もすさまじく、生田はあまりにウエストが締まっていることから「エヴァ初号機みたい」とネット上でネタにされたこともあった。
ほかにも、ももいろクローバーZの百田夏菜子(21)や学生時代に柔道の強豪選手だったという元アイドリング!!!の森田涼花(22)、E-girlsの須田アンナ(17)など「腹筋アイドル」は意外なほど多い。
なぜここまで「腹筋アイドル」が増殖しているのか。
「アイドルグループのパフォーマンスレベルが飛躍的に向上し、ダンスが激しくなっている。それなりに筋肉がなければ踊りをこなせませんし、最近のアイドルグループはライブ収入が収益の柱になっているので公演の本数も多い。もともとスポーツでカラダを鍛えていたり、厳しいレッスンやライブについていくために自主的にトレーニングしているメンバーは、どうしても筋肉質になります。少し前の時代はそれを隠しているアイドルが多かったのですが、最近はひとつの個性として逆に武器にするケースが多くなった。引き締まった肉体美は同性である女性ファンを増やす要素になりますし、割れた腹筋が『セクシー』だと感じる男性ファンも増加している。隠す必要がなくなった結果、腹筋アイドルが目立つようになったのでしょう」(アイドルライター)
男好きする体型といえば「ぽっちゃり系」が定番だが、女性アスリートの肉体美に魅力を感じる男性も少なくないはず。人気マンガ『進撃の巨人』(講談社)のヒロイン・ミカサもバキバキに割れた腹筋がチャームポイントのひとつだ。鍛え上げられた女性のカラダは、豊満な肉体とは違ったセクシーさがあるのだろう。
このまま「腹筋アイドル」が新たなアイドル界のジャンルとして確立される日も近そうだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)