ヒット作がテーマなだけにお金にまつわる話ばかりが続いたが、番組の中盤ではヒットしたがゆえに生まれた悲劇にも着目。約40年前に300万部以上を売り上げた『ど根性ガエル』(集英社)の作者として知られる吉沢やすみ氏がVTRで登場し、ヒットの先に待っていた苦悩の時代について振り返った。
『ど根性ガエル』以降なかなかヒット作を生むことができなかった吉沢氏は、いつしか自殺を考えるようになり、ついに家族のことも忘れて3カ月間失踪したという。指原はそんな吉沢氏の言葉を神妙な面持ちで聞いていたが、急に「聞きたくなかった…」とポツリ。あまりにも正直な言葉には江川氏も手を叩いて「そりゃそーだよな!」と大笑い。吉沢氏にとっては意外な反応だったかもしれないが、先ほどまで少し重々しかったスタジオの空気を一瞬で明るくするのだった。
こうした指原のリアクションには賛否あるだろうが、視聴者からは「指原、さすがだな」「正直なところが面白い」「まさに視聴者の代弁者」「次回が楽しみ」といった声が寄せられている。指原の素直な言葉は多くの視聴者に好意的に受け止められているようだ。自殺を考えるほどの他人の苦悩を「聞きたくなかった」と言いながらも、決してイヤな感じがしないところに指原の人気のヒミツがあるのかもしれない。
指原といえば、多くの有名人からバラエティ能力の高さを評価されている。松本人志(51)は「本当に頭がいい。いろいろ考えている」と指摘し、おぎやはぎのふたりも「頭良い」「天才だな」と絶賛している。具体的な理由については不明だが、共演する機会が多い彼らにしかわからない天性のものがあるのだろう。また、アーティストの桑田佳祐(59)は礼儀正しさを称賛し、プロインタビュアーの吉田豪(44)も「アイドル界随一の腰の低さ」を持つと分析している。
生まれ持っての愛嬌の良さと謙虚な姿勢を崩さないからこそ、画面からも指原の人柄の良さが伝わり、素直すぎる発言も多くの人に受け入れられているのかもしれない。『指原ペディア』の次回放送は未定だが、さまざまな業界に何気ないひと言でズバズバと切り込んでいく指原の姿を楽しみにしたいところだ。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)