『個室浴場』と書かれたゲートをくぐると同時に、いかつい中年男性が車に近付いてきた。
「この時間だからスナックはまだやってないけど、(ソープかストリップの)どっち?」
と、ぶっきらぼうに尋ねてくる。ソープである旨を伝えると、駐車場に案内されて建物へ向かうことに。
まず、受付で60分の入浴料の5,000円を払う。半ば強引にKを付き合わせてしまったので、彼の分も祓い合計1万円。「あとは女性に直接…」とのこと。5年前のことだが、当時は吉原などでも、すでにフロントで入浴料とサービス料を同時に払うシステムだったので、より一層『O』のレトロが増幅された。なお、某掲示板には、プレイ時間は50分、サービス料金は入浴料金の3倍で合計2万円という書き込みであった。
『O』は女性の指名ができないとのことで、スタッフに呼ばれるのを待つのみだった。10分ほどで案内されたのは、ヨウコさんという四十代後半と思われる女性であった。顔は悪くないものの、ボディラインの崩れが気になった。
「こんなに若い人は久しぶりだわ!」と、当時とっくに四十路に突入していた筆者を見て、嬉々とした表情で迫ってくるヨウコさん。「じゃあ、サービス料を…」と大1枚を要求される。あれ? 大1小5ではないのか? しかし、そんなことを気にせずに、どこかカビ臭さのある部屋でプレイが始まった。
ヨウコさんがボディ洗いを始める。肉づきがいいだけに、悔しいけど心地良さは否めない。続いてはマットであるが、1時間コースであること自体に驚いたが、“ちゃんとしたマット”なのでさらに驚かされた。というのも、あるサイトの書き込みに「マットがペラペラ」とか「マットというよりもレジャーシート」とあったからだ。もちろん、そこで行われたのは通常のマットプレイであり、彼女のカラダゆえに、やや圧迫感はあったものの、満足のいくものであった。
プレイ後の混浴タイムにいろいろと話を聞いてみる。『O』はその当時で40年近い歴史があるらしく、ソープランド、ストリップ、スナックで働く女性はローテーションだということだった。
「もちろん、ストリップのトリを務める踊り子さんはプロの方だけど、人手が足りないと前座はアタシらが踊らされたり…。まぁ、ステージで○○があるから、それ要員よね。スナックも連れ出しだから…」
つまり、ヨウコさんの言葉をまとめると、どこでも“アレ”を楽しめるということになる。これはまさに性の三位一体ではないか。
また、四十路の筆者を若者扱いしたのは、当時の客は老人ばかりだったからで、年金世代も多かったそうだ。そんな話をしているうちに時間も迫り、ベッドはあわただしかった。フェラで勃たせると、「来て!」と股を開く彼女。筆者が上になったが、年季というものなのだろうか、ちょっとスカスカ感のある、カラダの面積に比例した大穴であった。それでもなんとかイクことができた。彼女の演技臭漂う悶えっぷりに少々辟易したが、おそらくベッドにいたのは10分足らずだっただろう。
結果的に1時間で1.5万円は…微妙なところだろう。なお筆者は若者扱いされたが、同行した後輩のKは「女性が母親世代で、子供扱いでした(半泣)」ということだった。
あれから5年が過ぎたが、今の『O』はストリップもスナックも営業しておらず、ソープランドのみが細々と営業しているだけだという。
(文=子門仁)