病は気からとばかりに、目標(?)ができたことで元気を取り戻し、ホテルに戻ってスグにネットでメキシコの風俗事情を調べた。
すると、『スリバン』という地区にメキシコシティ屈指の売春宿があることが分かった。しかし、どのサイトを見ても「危険地域」と注意を促している。さらに「ドラッグ関係云々…」と書かれていて、ふたたび気持ちが萎えることに…。
「やめておこう…」
ノートパソコンの電源を落とし、一旦は諦めようとしたが、悶々とした気持ちは収まらなかった。結局、本来の仕事に取りかかることにした。
現地では、日本語が堪能なメキシコ人コーディネーターのアロン(30歳:男)がいてくれたので、仕事自体ははかどった。あとは、股間をはかどらせたい…そう思い、アロンに「エッチな…だけど日本人でも安全に遊べるスポットはないの?」と尋ねる。
「じゃあ、明日の昼に行くか? サバド(土曜日)で仕事は無いし…」
ありがたい! しかし、抜かりないネゴシエーターであるアロンは、「俺の分も出してね!」とニッコリ。…まぁ、ガイド代だと思えば高くはないだろう。
翌日の土曜日、アロンがやって来たのは夕方だった。
「昼に行こう」と言ってたのに…とイラ立ってはいけない。これがメキシコの国民性であり、『トランキーロ(慌てるなよ、どうにでもなる)』なスピリッツだ。迎えに来てくれただけでも有難いと思わなければ、メキシコでは生活できないのだ。
それにしても、メキシコシティの渋滞はヒドかった。だから、排気ガスが増える一方なのだろうし、約30キロ離れた目的地まで1時間以上かかった。そんなこんなで辿り着いたのは“ソチミルコ”という地区だった。