【風俗ちょっといい話】大阪・某風俗店の風物詩…募金箱


 後輩はその現実を踏まえて「マミ先輩にお願いがある」と切り出した。マミさん自身は“風俗嬢であることを黙っていてやる、その代わりに…”ということを強要されるのかと思ったが…後輩は、直後に涙ながらにこう言ったのだ。

「お金はたくさん出せません。…でも、ボクも一緒に一生懸命、働きます。なので、一緒に施設を支えてください!」

 その施設は、自治体からの援助もありますが、運営が厳しいとのこと。詳細は不明ですが、働いている職員や預かっている児童の人数で、補助金が決まるとか。それは決して大きな額ではなく、経営が苦しいという。また、園長が年老いて運営していくのが厳しく、マミさんなどのOG、OBに支えて欲しいと懇願してきたそうです。

 施設の職員になると、風俗で働く時間はなくなるでしょう。でも、施設には彼女を母親や姉のように慕ってくる子供たちがいる…。そこで、店を辞めることを決意した彼女。かつて、自分が園長にしてもらったことをするためにです。店長も事情を知っていたので快く送り出しました。

 さて、施設の子供たちにとって楽しみは“夏祭り”です。しかし、前述のような経営状態ですので、資金繰りが大変なようです。

 そこで、マミさんは6月下旬になると、かつて自分が在籍していたお店を訪れて、1週間ほど募金箱を置かせてもらうようになったのです。そして、その店にはパチンコ帰りに寄る客も多いので、その景品を入れてもらうために、隣には『お菓子箱』も置いているとのこと。

 もちろん、常連さんの中には事情を知っている人もいるので快く募金をしてくれる人もいれば、不思議そうな顔をして募金する人もいるそうです。もちろん、「なにこれ?」と無視する人も…。それでも、その人たちの善意が今年も施設に祭囃子を鳴らすのです。
(文=子門仁)