──ホラーの撮影中に、よく女優さんが心霊現象に巻き込まれたっていう話を聞くんですけど、おのさんはそういうのありましたか?
おの:1回だけ不思議なことがあって、わたしが勉強しているシーンだったんですけど、左からカメラをまわしていて、わたしの後ろに扉があったんですけど、「カット!」ってかかった瞬間に監督が「最後のあの影誰だよ」って怒ったんです。扉に影が映っていたみたいで…。もしかしたらスタッフさんかもしれないって思ったんですけど、カットかかる直前にあんまり動く人もいないはずなのに、何でだろうって。ちょっと不思議な気持ちになりました。
──え~、それは気持ち悪いですね。心霊体験は過去にもあるんですか?
おの:そうそう、最近、普通にあったんです! ある番組だったんですけど、カメラをまわしていて、お化け屋敷に1人で入っていったら急に肩を叩かれて、スタッフさんかなと思って振り返ったら誰もいなくて、それが怖くてもう、“ギャー”って叫びながら、外に走って飛び出していったんです。あとで映像を見返したら、映っていたんですよ。私の肩を叩く手が!
──本当ですか?
おの:本当ですよー(笑)。手というか、ほわっとしたというか、もやっとしたものが後ろから急にきて、わたしの右肩をポンって叩く一部始終が私のハンドカメラにも、定点カメラにも写っていたんです。定点にはモヤモヤっていうものがフワーンて感じで来ていました(笑)。オンエアもされましたよ。
──フワーンとかモヤモヤとか、なんだか可愛い感じもしますが(笑)。霊感はもともと強いほうなんですか?
おの:私のお母さんが昔、あったみたいですね。私は、昔ですけど、部屋で寝ていたらお腹に手が乗っていたというのがありました(笑)。ホラー映画をやる上で、実際にその恐怖を感じた体験があったのは演技をする上でも役に立ちました。
──『呪怨』はそもそも「呪い」がテーマなんですけど、プライベートで誰かに怨念をぶつけられるような体験ってありましたか
おの:怨念? 憎まれる感じですか? そうですね…意外と思われるかもしれませんけど、グラビアの世界ではあんまりないですね。みんな一人一人それぞれに活動している感じなので。芸能界もそうですね。この世界に入ってからのほうがそういう経験はあまりないです。わたしは芸能界にほとんど友達がいなくて、人との関わりが少ないというのもありますけど(笑)。ビールの売り子をやっていた時のほうが、ちょっと複雑な女の子の世界に巻き込まれそうになったりしましたね。
──芸能界にあんまり友達はいないんですか? すごく社交的なイメージがありますけど。
おの:はい。全然いないんです(笑)。すごい人見知りなんです(笑)。友達と仲良くなるのもいつもすごく時間がかかってしまうんです。
──「全然いないんです」なんて、なかなかハッキリとは言えない言葉ですけどね(笑)。今回の撮影現場でもやっぱりその人見知りは出ましたか?
おの:高校の友達役を演じた柳ゆり菜ちゃんや松浦雅ちゃんとは、撮影が始まった頃、全然話せなかったんです。3人揃って人見知りで(笑)。でも、最終日だったかな、3日間一緒だったんですけど、一緒にお部屋のシーンを撮った時に、やっとなんかこう、人見知りが解消されて、仲良くなって連絡先も交換して、今度ユニバーサルスタジオジャパンに行こうって約束しました(笑)。まだちょっと行けていないんですけど、今でもLINEで仲良くしていますよ。
──バラエティでの明るいイメージが強くって、おのさんの人見知りが本当に想像できませんけどね(笑)。
おの:そこはもうなんだろうな…。バラエティは1回きりの仕事が多くて、なかなか共演者と仲良くなる機会が少ないんですけど、でもこういう演技のお仕事ってみんなと毎日一緒だから、仲良くなるきっかけを作りやすいですね。それも含めて演技のお仕事って素敵だなって思いました。
──役者としてのお仕事はこれからも続けていきたいですか?
おの:やっていきたいですね。今回演技をやってみて、本当にどんどん興味が出てきて、やりたいっていう気持ちが強くなりました。やったときの達成感っていうか、みんなでひとつのものを作り上げていくのがすごく楽しかったんです。今回はいい子ちゃんの役だったんですけど、元々事務所の先輩の菜々緒さんに憧れてこの世界に入ったので、菜々緒さんがやっているような悪役とかにも、ちょっと挑戦してみたいです(笑)。
──いろんな“想い”が詰まった撮影現場だったようですが、そこまで思い入れがあれば、最終日はつらかったのでは?
おの:撮影は一カ月くらいだったんですけど、最終日は本当にさびしかったですよ。毎日のように撮影に行っていたので…。なんだろうな…毎日学校に行くみたいな感じでした。その現場がある日急にパタッとなくなっちゃって、終わったときは本当にさびしかったですね。
──まぁ、演技を学んだという意味でも、本当に学校だったのかもしれませんし、それはさびしかったでしょうね…。では、最後にファンに向けて映画の見所をお願いします。
おの:私のびっくりした時の表情をぜひ見ていただきたいです! 撮影していて本当に自分でもこんな顔できるんだって思ったんです。わたしの見たことない表情がたくさん出てくると思うので、そこを見て欲しいです!
──そういえばタイトルにあるように、『呪怨』はこれで完結、ファイナルなんですよね。
おの:さびしいですよね。でも、「と、いいつつも」みたいなこともあるんじゃないですか(笑)。ファイナル2とか(笑)。わたしは期待していますよ。
(インタビュー・写真=名鹿祥史)
映画『呪怨 -ザ・ファイナル-』<http://www.juon-movie.jp>
◆おのののか
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