温泉といえば、最近でこそ女の子同士で旅行して、現地を浴衣姿で散歩して“イエ~イ!(記念撮影)”という客で賑わっている。しかしながら、一昔前まで老人が湯治で訪れる場所。もしくは社員旅行でオッサンたちが訪れる場所…そんな客がほとんどであった。
それゆえにオッサン用の娯楽が発達していた。たとえば、「なぜ、こんな所に?」的に現れるストリップ小屋が最たるものだろう。そのストリップでは「受付のオバちゃんがダンサーだった」という都市伝説的な話も多々あった(いや、伝説ではなく、けっこう実際にありましたけど)。
そして、もうひとつ多かったのが、『連れ出しスナック』である。要はスナックが置き屋になっていて、交渉成立となったらスナックの2階や提携する旅館で自由恋愛という流れだ。いわゆる“ちょんの間”である。
さて、関東某所にある有名温泉地でのこと。ここ最近はテレビ番組などで頻繁に特集されるようにもなり、若い女性の観光客が増えている。その結果、町は健全になり、以前にあったような男が楽しめる場所がなくなったという。由々しきことである。
でも、由々しくもなかった。やはり、男という生き物がいる限り、スケベ産業はなくならないということなのだろう。その地での裏風俗は生きていたのだ!
それは、その温泉街の中心地で男二人で夜風に当たって酔いを冷ましていた時のこと(本当は浴衣美女ウォッチングしていました…)。背後から「お遊びをお探しですか?」と声をかけられた。
振り向くと立っていたのは、いかにも温泉旅館の番頭という感じのオッサンである。聞けば「大1枚で最後までできるのですが、どうですか?」とのこと。なんでも“ある場所”に移動してのプレイになるという。
中心地から少し離れた場所に停まっていた車に乗せられる我々。「2名様、伺います!」と電話するオッサン。暗闇に向けて走る車…その温泉地は山に囲まれているので、山のほうへ向かっているようだ。街灯がないので暗い。「大丈夫です。安心してください」とオッサン。言われるほど、何かの前フリのようで怖かったが…着いたのは山荘だった。