──ファンはそういった変化をどう見ていたのでしょうね?
二宮:MCを始める前から、ラジオのDJや競輪のキャスターをやらせてもらっていたし、徐々にシフトチェンジしていけたおかげで、あまり違和感を覚える方っていなかったんじゃないかと思います。
──ファンを納得させたのは凄い! 一体、どうやったの?
二宮:出待ちしてくれているファンには、自分から話かけていましたね。「ビッグニュースがあるよ」「もしかすると、ガッカリさせてしまうかもしれないよ」「でも、離れていかないでね!」って、少しずつ情報を出していって分かってもらって。単純に自分が思ったことを言っただけなんですけどね。離れてしまったら嫌だなって。それが分かってくれて、みんな離れずについてきてくれて、結婚したからっていなくなった人はいなかったかなぁ。
──それって、娘を嫁がせる親のような心境なのかな?(笑)
二宮:どうなんでしょうね(笑)。特にグラビア時代のファンは離れてしまうと思っていたので怖かったですよ。入籍するときは、そんな仕事面を考えると、精神的には不安定でしたよ。どうしても結婚した途端にイメージって変わってしまうじゃないですか。でもね、GJKがちょうど注目されているタイミングで結婚報告できたので、記事にもしてもらえたし、本当にそういう意味では恵まれていたなと思います。
──努力の結果ですね!
二宮:あはは…とか言ってますけど、実は入籍発表してから3カ月間は、携帯がピタリと鳴らなくなったんですよ。これが見事に。やっぱりそうか…結局こうなるんだな~って思いましたね。仕事関係には寿引退だと思われたり、泊まりのロケも「結婚したからダメでしょ?」とか言われちゃって。プライベートの友人知人まで気を使ってるのか何なのか…。でもありがたいことに、入籍した月は大きな仕事も2つばかり決まっていたし、スケジュールも詰めていたので助かった。でも、それ以降どうなるかは、自分がこれから発信し続けないとこのまま消えると思ったので、とにかく入っている仕事を一生懸命こなしましたし、現場で結婚やこれからのことを聞かれる度に「これからも続けますよ。しかも更にパワーアップしていきますよ~」って、毎回毎回アピールしました。それでも「次は子供でしょ!?」とか言われて、全然信じてもらえないところもあって、それでも、とにかく指し示していくしかないなと思いながらも、この時の3カ月は本当に怖かった…。
──女の幸せと仕事の両立はありえないという男性側の勝手な盲信というか、良く言えば配慮というか…。
二宮:でしょ~!? そんな考えをぶっつぶしたくて、積極的に地方の仕事を入れたり、あえて仕事吞みに出かけたりしてアピールし続けて今に至るんですけどね。今のご時世、旦那様自身も会社だっていつどうなるか分からないじゃないですか!? これって芸能界にかかわらずの話でしょ? それにファンなら、何があっても誠実に自分が向き合っていれば、必ず愛しぬいてくれるって信じてましたし(笑)。
──たくましい(笑)。こんな現実的なことを堂々と言えるのも、やはり奥様ならではですね!
二宮:あははは…どうですかね。でも、たしかに以前は、こんな現実的なことも考えられなかったし、新幹線のチケットの買い方も分からないし、ホテルの予約すらできませんでした。それでもよかったんですよ。なぜなら周りの人がみんなやってくれましたから。でもね、ふと「これって危なくない? このまま30歳になったら生きていけないでしょ?」って思って。実際、私の周りでも30歳を超えても世間知らずだったり地に足がついてないアイドルも大勢いますけどね。
──独立した今、そういったアイドルを客観的に見てどう思います?
二宮:あっ、それはそれで才能だって思ってます。人気があるからこそ、それが許されている。または、いくつになっても可愛いからこそ周りが勝手に動いてくれているわけですから。でも、自分は自信がなかったので、ヤバいなって思ったんです。このまま社会人になったら、恥ずかしい人間になってしまうだろ~って。
──芸能人の結婚というと、もうひとつ問題になってくるのが、相手の家族の理解ですよね。グラビアは露出も多いですし、AVと近いものと勘違いしている方もいそうですし…。特に地方の方だとしたら、偏見や誤解も多いのでは?
二宮:うちの旦那は出身が東京ってこともあって、家族は大丈夫でしたね。比較的旦那も近い業界ですし、理解力のある家族なので。でも、実は私の家族の方はいろいろ苦労したみたいです。それは私がグラビアの仕事を辞めた後になって聞かされたんですけど、「オタクの娘さん、ハレンチなことされてますよね?」って近所の方に言われていたって…。それで、「歩美がMCや企業さんとお仕事をするようになって、やっと安心したよ」って。ビックリしましたよ。私、そんな風に思われているなんて、全然思いもしなくって。
──誤解されやすい仕事ですよね。
二宮:そうなんですよ。グラドルって、寿命が短い割に稼ぎがいいわけでもないし。私、地元に帰ると友達にたかられるんですよ。それこそマガジン系の表紙に出ていた頃なんて特にね。「表紙とか出てるんだから、何十万も何百万も貰ってるでしょ?」って。でも、実際は月給5万円でしたから(苦笑)。