こうした類の中高年が、フーゾクを利用してはいろいろやらかすケースも少なくないらしい。
たとえば、プレイの前に歯ブラシやうがい薬を渡しただけで「失礼な」と怒り出す(ソープランド)や、ホテル備え付けのコーヒーカップでお茶を入れたら「専用のカップを持参するのが常識だ」などと怒鳴りつける(デリヘル)というような、些細で非常識なものばかりである。
なかには、生フェラしたとたん、「ゴムもつけないで何をする。病気になったらどう責任を取るのだ!」と大騒ぎして、店長が駆けつけるひと悶着になった(デリヘル)というケースもあったという。こうなると、まるで言いがかりかクレーマーのようですらある。
ほかにも、よくみかける「『こんな仕事をしていてはダメだ』などと女のコに説教する」というケースも、この世代が圧倒的に多いらしい。
なぜ、こんな「逆ギレ」する中高年が多いのか。ある全共闘世代の男性(61)は言う。
「この年代のなかには、ヘンに自我意識が強くて、既存のルールに逆らうことが自分のポリシーだと勘違いしている人がいるかもしれません。それが自分の『反体制の信念』とでもいうように。でも、やっていることといえば、赤信号を無視したり、立ち入り禁止の芝生で寝転んだりする程度。もしかしたら、若い頃に活動に参加できなかった面々が、いまになってストレスを発散させているのかもしれません」
ほかにも「会社を退職してひまになった連中が、弱い立場の人たちをいじめているだけ」という感想や、「あれは初期の認知症ではないか。ちょっとしたことで怒りっぽくなったり、細かいことを気にしすぎるのも認知症の一種」との意見もある。
もちろん、団塊の世代すべてがキレやすくて迷惑というわけではない。常識があり温厚な性格の中高年も多い。
今後、さらにリタイヤする中高年がさらに増えることは確実だ。そういう状況で、「荒れる団塊の世代」の話題は、やや気になるところではある。
(文=橋本玉泉)