【1万本AVウォッチャー・文月みほが迫るAV裏舞台】

「女性AV監督は差別用語です!」緊縛師兼AV監督・青山夏樹が明かすアンチ・ジェンダーフリーなAV業界


──ところで、3月29日に開催された夏樹さん主催の緊縛イベント【BEYOND】について聞かせていただけますか。やってみようと思った理由は?

青山:女性に向けてSMの普及をしたくて、女性にも見て欲しい緊縛イベントを開催しました。男性って「俺はSだ!」とか「SMとはこういうものだ!」と決めつけてしまう方って多いんですけど、女性って頭が柔軟で、より深い精神的なやりとりがみたいと思っている人たちが多いんです。なので、ステージの高いというか、意識の高いSMを提案していこうと思って企画しました。 
 

0501aoyama_beyond06.jpg可憐な美少女(M女・操)と、凛々しい夏樹さんの緊縛ショーに、息を飲む女性ファンも!
0501aoyama_beyond07.jpgパートナーが変わる度に衣装チェンジ。照明、BGMもガラリと変わり、4時間にも及んだショーもあっという間に感じられた。(M女・椛)

 
──女性に見て欲しいSMとは?

青山:私にとってSMって初恋のようなものなんです。男性の考えるおどろおどろしいものではなく、ず~っと続く片想いの感覚。だから、簡単に叶ってしまっては面白くないと言うかね。その甘酸っぱさって女性なら分かってくれるんじゃないかなって。新規開拓というのは難しいと分かっているのですが、そこで、考えたのが女性に向けたSMのイベント【BEYOND】なんです。性別を超えたSMの表現がテーマです。5人のM女を縛るのですが、その中には今話題のニューハーフ女優・大島薫くんがいて、さらに女王様として知られている三代目葵マリーさんにもお願いしました。 
 

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0501aoyama_beyond09.jpg本格的な緊縛は初体験というニューハーフの大島薫「以前、撮影でお会いしたのですが、とても優しい方だと感じたので、青山監督になら縛られてもいいと思ったんです」と出演の動機を聞かせてくれただけに、本番スタートと共にM女の顔に変わった。

 
──本当に素敵なショーでした。私、宝塚の舞台に似た興奮を覚えましたね。とにかく夏樹さんがかっこよくて! セクシーな衣裳もありましたし、女であることを忘れさせることはなかったけれど、性別なんてあってないようなものだと感じました。お恥ずかしいんですけど、自然と涙がでちゃって…。

青山:それは嬉しい! 初めて緊縛ショーを観た女性は、泣いてしまう方って結構いるんですよ。 
 

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0501aoyama_beyond12.jpgSM界では知らぬ者のない三代目葵マリーが、M女として緊縛されたのは10年ぶりとのこと。熟知するファンも多く、会場の空気が一瞬にして張りつめた。(M女・三代目葵マリー)

 
──それにしても、散々イベントレポートをしてきたライターなのに、こうも言葉が出てこないものかと自分に驚いています。SMの知識があれば高尚な批評もできたのでしょうが、ひたすら魅了されたとしか言えなくて…。だから、この感動を多くの女性に知って欲しいと思うんです。男性だけが楽しんでいたなんて、それこそ悔しいじゃないですか!

青山:本当ですか!? ありがとうございます!

──実は私も女性向けの【花園AV女学院】というイベントをやっているんですよ。ぜひ、出演して下さい。だって、女が女の前で女を縛る光景って楽しそうじゃありません?

青山:いいですね~! ぜひぜひ、やらせて下さい。では、誰を縛りましょうか?

 ……そんなこんなで、ほんの30分のつもりでカフェでお話を聞いていたのですが、気づけば2時間が経過。女が住みにくいAV業界で、あえてのうのうと生きていく道を選んだ女たちの、等身大の姿をお分かりいただけたなら幸いです!
(写真・文=文月みほ)

青山夏樹・公式サイト
『青縄会オフィシャルサイト』

■告知
【花園AV女学院~淑女の為のヒミツの講義~】女性のための耽美なSM世界
5月16日(土)開場12:30 開演13:00
場所:新宿レフカダ
出演:文月みほ(理事長・ライター)/翔田千里(学院長・AV女優)/青山夏樹(緊縛師・AV監督)/安藤ボン(AV監督)、他。
緊縛師・青山夏樹さんが、人気熟女AV女優・翔田千里さんを緊縛。業界初の女性の為の女性による緊縛ショーを開催します!

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