──撮影をする上でこだわっていることはなんですか?
青山:セックス中になるべく中断させないことですね。あれこれ指示をする度に男優さんが萎えて、女優さんの興奮が途切れてしまって、勃ち待ちなんてことになっては論外ですからね。なので、こだわりと言うと、頭のいい人をキャスティングすること。私の意図を理解してくれないと、やはり中断してしまうことになりますから。あとは、この女優さんにはこの男優さんをぶつけたら面白くなるだろうなということも考えてキャスティングしています。
──男と女の化学反応を期待している?
青山:そうですね。あまり上手に表情を作られても興奮できないので、この子の変態性がどう出るかな~って期待しながらやってます。私、監督はプレイしているときと同じ感覚でやってますから。
──作品の中にはプライベートな体験も含まれているんですか?
青山:もちろんそうですよ。AV監督って、肉食じゃないとできないと思いますので。女性の興奮を描きたいとは言っていますが、それは男性でも思うことなのでは? エロの根源は、女性も男性も変わらないと思うんです。最近では、グローリークエストさんでニューハーフさんも縛っていますので、余計に性別は関係ないと思っています。だから、男性監督と同等に見て欲しいし、女流緊縛師という呼び名にも納得していません。仕事に関しては、男性と同等、もしくはそれ以上にやっていると思うんです。台本から編集までやっていますから。でも、「女性監督」の地位は低いですし、いちいち「女性監督」と言われる意味が分かりませんね。確実に差別的な意味が含まれていますから。
──それは、女性監督が珍しい存在だからというのもあると思います。
青山:それはそうでしょうね。だって、入り口がないじゃないですか。一般の女性がAV製作の現場に入るのは難しいと思いますから。10年以上活動している私でさえ「女性監督が撮る意味を企画の中に加えろ!」と言われてしまうんですから、続けたい人も少ないと思います。ハッキリ言って、AV業界にはいまだに男尊女卑の考えは残っています。女性を売りにしろと言われることも含めてね。よっぽど、素人童貞みたいな新人男性監督より、エロは熟知してるのに悔しいですよね。映像系専門学校での新人社員監督の方が評価が高かったり…。
──う~ん。そうですよね…。しかも、AVの撮影現場にはテレビ屋さんもいて、それはそれで何も悪いことはないけれど「俺は本当はAVなんか撮りたくないんだよね」とか、堂々と言ってる方がいるじゃないですか。それは私もカチンときますね。
青山:あ~、結構いますよね。しかも、天下りみたいな態度で「AV業界にきてやったぜ」みたいなね。別におしゃれな編集ができるからといって、それが何になるんだと思いますよね(笑)。
──あはははははは…いけない。つい思ってること言ってしまいましたね。