昨年、講談社から発売された選抜総選挙公式ガイドブックでアイドル評論家の中森明夫氏が「アイドルブームの命運は『指原退治』がカギを握る」と発言したことに傷付いていたようだ。指原の人気を認めているからこその発言だったのだろうが、敵役のような扱いは彼女にとって不本意だったのだろう。しかも、実際に渡辺に王座が移動して「指原退治」が実行されてしまった。
昨年2位だったにもかかわらず、今回も「指原有利」の評によって敵役にされることを懸念したという流れだったようだ。ところが、この指原の「運営の段取りミス」発言に対してネット上では以下のような冷ややかな反応が目立っている。
「指原が言い訳するときは嘘をついたとき」
「運営にどっぷり依存してるくせに何がケンカだよ」
「だから私は悪くないですアピール」
「さすがに段取りミスはありえない。そういうことにしとこうって台本なんだろ」
「総選挙の煽りが段々と粗くなってきてる」
指原の発言を疑問視する根拠としては「なぜ福岡なのか」というポイントがある。今回の会場変更は天候不安や騒音問題が理由だが、首都圏の会場が押さえられなかったとしてもSKE48の地元・名古屋やNMB48のお膝元・大阪、東京から近い神奈川や埼玉などに大規模会場はいくらでもある。それらが全てスケジュール調整できず、福岡しか空いていなかったという状況は考えづらい。となると、何かしら運営サイドの思惑があったように感じられ、それが「ゴリ押し」説につながっているといえる。
「運営サイドが首都圏会場の確保に失敗したのは事実。昨年の握手会襲撃事件などの影響で警備上の不安が高まり、選抜総選挙のような大規模イベントは会場側が難色を示すようになってしまった。近隣住民からの苦情が出やすいことも原因の一つ。そこにウソはないと思います。しかし、福岡開催には運営の思惑が絡んでいる。新潟に新グループを誕生させることからも分かるように、最近の運営サイドは地方との結びつきを重視する方針にシフト。いま地方グループの中で運営が戦略的に最も力を入れているのがHKTであり、地元が協力的という事情もあって名古屋や大阪ではなく福岡に決めたようです。あくまで運営の地方戦略で決まったことなので、ゴリ押し扱いされる指原をはじめとしたHKTメンバーは可哀想ですけどね」(芸能関係者)
どうやら指原の発言は「ホントじゃないけど嘘でもない」といったところか。裏事情を分かっていながらも、運営の思惑に振り回されて損な役回りをさせられてはたまらないという気持ちが反発につながったのかもしれない。初の福岡開催は総選挙の行方だけでなく様々な影響を生み出しているようだが、果たしてどのような終着点に行きつくのか注目だ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)