「通常、新番組というのは半年ほど前から準備が進められるものです。最近ではメーンのタレントを決めてから番組内容を構成していくことが多く、今回木村さんが出演する番組に関しても“後藤さんのMCでグルメ番組”ということが先に決まっていたと思います。その後、肉付けをするように個別のコーナーやキャストを固めていったのでしょう。そして大半の番組で最後までなかなか決まらないのが“旬のタレント”をどうするかということ。特にゴールデンタイムで放送されるようなメジャーバラエティーでは新鮮さをアピールするため、この枠が重要になってきます。
単に若手の勢いがあるタレントを起用しても、いまの時代すぐに飽きられてしまう可能性も高いですし、そもそもそのタレントに力がないということも考えられます。そのため旬のタレントはゲスト枠にしてしまうことがほとんど。しかしそれではインパクトが薄くなるため、スタッフは旬のタレントをレギュラーにしたい。そういうジレンマの中でタレントを探すわけです。今回の木村さんはまさにその枠でのキャスティング。フレッシュなイメージも十分ですし、女優としての人気と実績があるため極端な視聴者離れを引き起こすことは考えにくいですからね」(テレビ関係者)
ゴールデンタイムに放送されるバラエティーで初のMCを担当する木村の肩にはフジの大きな期待がかかっているようだ。そしてそんなフジの思惑を苦々しく見つめるのが『イッテQ』で木村の新たな一面を引き出した日テレだという。
「日テレとすればまさに『してやられた!』という感じではないでしょうか。ほとんどバラエティーに出演していなかった木村さんを、同局の看板バラエティーの正月SPに起用して、それを見事に成功させたのですから。今後も特番などでは木村さんを起用するつもりだったと思います。もちろん木村さんが『イッテQ』に出演する可能性はありますが、バラエティーのイメージがなかったからこそ、あれだけの反響があったわけで、MCを務める木村さんに積極的な姿勢は示さないかもしれません。本音をいえば時期を置いて再登場してほしかったはずです。『横取りされた!?』という思いを抱く関係者も多いのではないでしょうか」(業界関係者)
近年視聴率の低迷にあえぐフジとすれば、木村というタレントは喉から手が出るほどほしい人材だったのだろう。しかし『イッテQ』での活躍は女優のゲスト出演にありがちな“レア感”によるものだったという可能性もある。レギュラーとなれば勝手は違うだろう。女優・木村佳乃がバラエティーでどんなMC姿を見せてくれるのか放送を楽しみに待ちたい。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)