連れて行かれたのはすぐ近くにあるマンションの一室。カギのかかったドアを開けると、左の壁沿いが通路になり、右側にはパーテーションで仕切られた小部屋が4つ並んでいる。入り口にはカーテンがかけられていた。
「ここだよ」
オヤジが黒いカーテンを開くと、そこにいたのは黒髪でストレートロングヘアーの20代半ばの女のコだった。
「あれ、日本人? カワイイじゃん」
「いいの、このコで? じゃ1万2000円」
さっき1万円って言ったのにと思ったが、日本人は2000円高かった。
個室には赤いテーブルライトが灯り、小さなベッドやカラーボックスの棚が全て赤く映っている。中国エステとほぼ同じ造り。一緒にシャワーを浴びると、小部屋でちょんの間の営みを。
「あたし塩対応って言われるの(笑)。愛想がないっていうか、自分ではそんなつもりないんだけど…」
以前はデリヘルで働いていたが、友だちの紹介で夏頃ここに来た。21時から0時頃まで働いてまあまあの稼ぎがあり、時間にも厳しくないところがイイという。
「…どうすれば神対応になれるかな?」
見送ってくれる彼女の笑顔は、女神に見えた。
※画像:マンションちょんの間の女のコ。同マンションには他にも同様のちょんの間が入っている様子
(写真・文=松本雷太)