マツコ・デラックスは視聴率女王!? マイノリティの星がお茶の間に定着した3つの理由と少し不安な業界評


「まず1つ目、見た目のインパクトは大きいでしょう。彼女が出ているだけでとりあえずチャンネルは止まります。2つ目は、マイノリティとして世の中を冷めた目で見ることができる強さと、世の中への多少の“あきらめ”です。やはり冷静に物事をとらえてコメントするというのは、意外とハートの強さが求められます。そして核心をつけばつくほど、批判の矢面にも立たされる。でも失うものがない彼女は、それに対して保身せず言葉を繰り出すことができる。一方で、『所詮こんなもんよね』『所詮、私には関係ないけどね』というのが口癖なように、どこかで日本だったり、自分を諦めてもいたりする。そんな切なさが、今の日本人には響くのかもしれません」(芸能ライター)

 そして3つ目には、彼女が出ている時間帯にあるという。

「彼女の出演番組は、『怒り新党』や『アウト×デラックス』(フジテレビ系)、さらに4月から新たに始まる冠番組『マツコとマツコ』(日本テレビ系)にしても、夜11時台のオンエアが多い。それは、彼女の特性が、プライムタイム(19時~23時)も外れた時間帯でこそ発揮されるからということも考えられますが、結果的にそれが“マツコ・ブランド”を保持することにつながっています。ゴールデンタイム(19時~22時)やプライムの番組は、視聴率戦争の波を受けて短命に終わることがあるものの、そこまで熾烈な戦いを強いられず、仮に数字が低調でも編成にすぐには目をつけられないのが深夜枠。そこでの登板は、意外とタレント生命を長持ちさせるのです」(前出同)

 そんな大活躍の彼女だが、対する業界評は、必ずしも良いものばかりではない。

「『怒り新党』でのコメントも、いくぶん穏やかに、守りに入るコメントが多くなってきましたね。それは、積もりに積もった長年の不満や、今まで積み重ねてきた哲学的思考の蓄積がなくなってきた証拠でもあります。また彼女のブレイクのきっかけとなった『5時に夢中!』(TOKYO MX)でも、単にイライラしていたりと、横柄な態度が目立つようになってきました」(テレビディレクター)

 果たして、マツコ・デラックスはこの先、どこまで化けるのだろうか。
(文=今井良介)

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