「矢田さんと押尾さんの交際が発覚した2005年当時は、双方とも人気の絶頂にありました。特に矢田さんはタレント好感度ランキングなどでも常に上位で、押尾さんとの交際前はテレビCMにも20本以上出演しています。ドラマなどでも活躍し、可愛らしいルックスに反して熱のこもった迫真の演技をするとして評価されていました。しかし、もともと素行の悪さで知られていた押尾さんとの交際と結婚で一気にイメージダウン。出産と子育ても重なり、表舞台から退くと完全にかつての輝きを失ってしまいました。
2009年にフジテレビ系の月9ドラマ『VOICE~命なき者の声~』で女優活動を再開させましたが、役柄も中途半端で、すでに過去の人といった扱いでしたね。さらに、復帰したものの押尾さんが薬物事件で逮捕され、彼女のイメージは最悪に。直後に離婚を発表し、すでに別居状態だったことを明かしましたが、何もかもが手遅れといった印象は否めません。それでも矢田さんは地道に女優業を続け、2010年からは毎年ドラマに起用されています。
なかなかメインどころに抜擢されることはありませんが、昨年には矢田さんのタブーともいえる“離婚”をテーマにしたドラマ『慰謝料弁護士~あなたの涙、お金に変えましょう~』(日本テレビ系)にレギュラー出演し、押尾さんとの過去を吹っ切るようなハツラツとして演技を見せました。女優として歩む以上、これからも矢田さんには押尾さんとの影がつきまといますが、そうした過去もしっかりと背負うことが重要になるでしょう」(芸能関係者)
2011年、矢田は『だいじなやくそく』(文芸社)という絵本を出版している。この作品の中で矢田は、ダダをこねる子どもに優しく耳を傾ける母の姿を描き、親子の愛情とは何かを綴る。子どもとしっかりと向き合うことが何よりも大切だと語る矢田は、母親になりひとりの女性として大きく成長したのだろう。こうした心境の変化が女優業にも活かされているのかもしれない。
『花嫁のれん』では決して夢をあきらめない女性を演じている矢田。これからも過去のスキャンダルに負けず、ますます磨きがかかったと評判の美貌で視聴者を魅了する女優として息の長い活躍を期待したい。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)