「今作は、2011年の大ヒットドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)を手掛けた遊川和彦氏が脚本を担当し、制作スタッフも『家政婦のミタ』の時と同じという体制。それゆえに、一部からは『家政婦のミタの二番煎じ』という声も聞かれます。人間味が薄く謎に包まれたヒロイン、さまざまな問題を抱える家族など、確かに共通する設定がある。もちろん、このまま“家政婦のミタっぽさ”が抜けなかった場合には視聴者離れもあり得ます。ただ、遊川氏は今作の主演をキャスティングするにあたって『柴咲コウに出てくれって頼みに行った』『それくらい柴咲コウのこと好きだった』とインタビューで明かしている通り、柴咲に相当な期待を寄せているわけです。それほど熱望した女優・柴咲さんとの仕事で、“表現することは常に挑戦し続けること”だと考えている作家が、過去のヒットドラマの二番煎じをやるはずがありません。
対する柴咲さんも遊川氏の情熱に応えるかのように、抑えるところは淡々と、それこそ作り笑顔のような表情や、目だけを動かし動揺している様や、一転して取り乱すような激しい動きまで、大仰になり過ぎないように丁寧に演じている印象を受けました。演技派としての評価を得た映画『GO』やキレ方でも話題となった『バトル・ロワイアル』、大ヒットした『世界の中心で、愛をさけぶ』などが代表作にある柴咲さんには、どうしても華やかな印象がついてまわりますが、劇場公開規模こそ小さいものながら、ゲイのための老人ホームを舞台に“絆”を描いた映画『メゾン・ド・ヒミコ』など静かな表現ができる女優なんです。そういった意味でも、今回のドラマは、浮き沈みの激しい芸能界で長年トップランナーとして走ってきた柴咲さんの、女優としての引き出しの多さを見るドラマとしても楽しめるかもしれません」(芸能関係者)
柴咲の演技力やこれから徐々に明かされる過去、大人気脚本家の新作であることなど、とにかく話題性は高い『〇〇妻』。このまま視聴率を稼ぎ、柴咲のドラマでの代表作となるのだろうか。
(文=サ乙)