――くすぐりマニアの心をくすぐるサービスとは、どのようなものなんでしょう?
宮本:うちは女の子をくすぐるSコースか、女の子にくすぐられるMコースかをお客様が決めるシステムになっています。Sコースを選ばれるお客様が多く、拘束や目隠しをすることができます。
――いわゆるヌキはあるんでしょうか?
宮本:手コキまでは基本サービスとして行なうようにしています。でも、実際にヌイていかれる方は半々くらいですね。
――え? 風俗なのにヌカないんですか?
宮本:そうなんです。くすぐりたいという性癖を満たしに来られる方ばかりなので、ヌキはあまり必要ないんだと思います。それよりも大切なのは、イチャイチャできたり、お客様がくすぐって本気で笑ってくれたりすることなんです。以前「笑い方が演技っぽい」というクレームもあったくらい、ディープな世界なんですよ。
――でも、目の前に拘束された全裸の女の子がいたら、勃起してしまうのが男のサガだと思うのですが…。
宮本:もちろん皆さん、勃起してくれるみたいです。ギンギンになっていてもヌカないんですよ。
――もう…本当にディープな性癖ですね。
宮本:偏った言い方かもしれませんが、うちのお客様は、とてつもなく妄想力の豊かな方が多いのでは、と思っています。お客様の多くは『ルパン三世』のアニメで峰不二子がくすぐりの拷問にあっているのを観て、くすぐり性癖に目覚めたと聞きます。その原点を追い求める上で射精行為は必要性が薄いのでしょう。射精してしまったら、その時点で妄想が途絶えてしまうかもしれませんから。
――でも、射精がないということは終わりがないですよね。くすぐる時間に制限などは設けてないんですか?
宮本:そのような制限は設けていません。でも、うちのお客様は皆さん優しいので、だいたいキリのいいところでやめてくれるんです。峰不二子ではありませんが、くすぐりは拷問にもなりますからね。かつて120分間ずっとくすぐり続けたという人もいて、そのときはさすがに「ご勘弁ください」とお願いしました。
――しかし、風俗業界で働く女の子に話を聞くと、よく「変態は正直キモチ悪い」という意見を多く聞きます。
宮本:うちの女の子に、そういうタイプはあまりいませんね。むしろ楽しんでくれている節がありますよ(笑)。
――それは宮本さんのマネージメント力があってこそなんでしょうね。
宮本:ありがとうございます。やっぱり女の子との接し方には細心の注意が必要ですからね。詳しくは僕の本(前出『No.1風俗店長が極めた 女性にキモチよく働いてもらうマネジメント術』)を読んでほしいんですけど(笑)。
ただ、お客様も女の子にプレイを心底楽しんでほしいと思っているでしょうから、単なるヌキ目的のデリヘルよりも、うちのような店に来てくれる方もいるのだと思います。そういう意味では女の子との接し方は経営者として、細心の注意を払わなければいけません。実際に10代から8年以上も務めてくれている女の子も在籍していて、彼女は後輩の指導なども積極的にしてくれるようになりました。育てるというのはおこがましいですが、キモチよく働いてもらうことがサービスの向上につながると考えています。
リピーターの多い『くすぐり宅配便』は、月3回ほど訪れるヘビーユーザーもいるという。たしかに一般的な読者にとって、くすぐりという性癖は理解しがたいかもしれない。しかし、裸の女の子が心の底から楽しんでイチャイチャしてくれると思えば、事務的なヌキサービスで終わってしまう風俗店よりも、考えようによっては楽しめるかもしれない。風俗といえばヌキだという固定観念にとらわれず、新たな刺激を求めて“ヌカナイ風俗”を体験してみてはいかがだろうか?
(文=中河原みゆき)
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