「当初は本当に地下アイドルといった状況でしたが、2011年に発売した3枚目のシングルからプロデューサーの『もふくちゃん』こと福嶋麻衣子氏と大手レコード会社『トイズファクトリー』が共同で設立した新レーベルに移籍。それに伴って販売戦略が強化され、楽曲陣に人気ミュージシャンの前山田健一氏らが加わったことで曲のレベルも上がった。これが一つの大きな転機になったことは間違いありません」(アイドルライター)
だが、大手レコード会社のテコ入れがあってもシングルの売上はオリコンチャート30~40位ほどという厳しい状態だった。それが大きく変わったのが「いじめられ、部屋に引きこもっていた ゲーセンだけが私の居場所だった」という衝撃的な歌いだしで始まる6枚目のシングル「W.W.D」だった。
「同曲は挫折経験や引きこもり体験など、メンバーの赤裸々な過去を歌ったもので、本来なら明るいイメージが命のアイドルとしてはタブーともいえる内容でした。しかし、等身大のメンバーの素顔をさらけ出したことで多くの共感を呼び、大人の操り人形ではない血の通ったアイドルグループとして支持が高まった。メンバーたちも自身の過去と向き合ったことで『やっと見つけた居場所を大切にしたい』という思いが強まり、一皮むける契機になったようです」(前同)
昨年1月に発売された同曲はオリコン週間チャート10位に入り、グループ乱立状態だったアイドル界の中で頭一つ抜け出した。今年3月発売の9枚目のシングル「サクラあっぱれーしょん」は同チャートで3位になり、先日発売された最新シングル「でんぱーりーナイト」は販売促進の接触イベントがほとんどなかったにもかかわらず6位に入るなど順調に階段を駆け上がっている。
今年10月からは深夜の地上波冠番組『でんぱジャック-World Wide Akihabara-』(フジテレビ系)がスタートしており、来年1月2日にはCSテレ朝チャンネル1で7時間にわたるスペシャル番組『神春! でんぱ組.inc 7時間スペシャル Zepp! 日比谷野音!! 武道館!!! 神ライブの光(オモテ)と影(ウラ)』も控えている。来年はさらに飛躍すること間違いなしであろう同グループから目が離せない。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)