筆者的に特におすすめなのは、上半身裸でゴム製のガーター&ブーツ、ソックスを履いている3月(モデル:ジョアン・スモール)と8月(サーシャ・ルス)、そして、起用された時にも話題になったプラスサイズ・モデルのキャンディス・ハフィンが、胸の部分だけ空いたゴム製のビスチェを着ている4月だ。ハフィンは他のスリムなモデルたちに引けをとらない洗練された存在感とともに、彼女たちにはない豊満な色気を存分に発揮している。
今回のハフィンの写真によって、ファッションモデルは必ずしもスリムである必要はないということが証明されたと指摘するメディアもある。
痩身モデルの社会的な悪影響が指摘されている昨今。世界的に人気な女性下着ブランド「ヴィクトリアズ・シークレット」が広告キャンペーンでスリムなモデルたちをバックに「THE PERFECT BODY(完璧な体)」というキャッチコピーを掲げたことに批判の嵐が巻き起こり、コピーを「A BODY FOR EVERYBODY(すべての体に)」に変更した一件も記憶に新しいが、そんな風潮を受けて、ファッション写真の最高峰であるThe Calが、女性の体型がファッションの束縛から解放される時代に突入したことを証明したのは評価されるべきことだ。
さて、この写真集はいったいどこで手に入れることができるのか、と思っている方々もいることだろう。残念ながら、我々一般市民の手に入ることは、まずない。数量限定であることから、毎回、一部のセレブたちの中だけで品切れになってしまっているようなので、あしからず。
(文=ツジエダサト)