「2007年から女性ファッション誌のモデルとして活動をしている鈴木さんですが、テレビへの露出は2011年ころからになります。当時は益若つばささんや小森純さんといった読者モデル出身のタレントたちの最盛期で、その流れの中で彼女たちの妹分として登場しました。そんな鈴木さんの名前が一気に世間に広まったのは2011年8月に放送された『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)でしょう。小森さんの友達として出演したのですが、その小森さんを『ブス』と言い、成績が悪すぎて高校を退学になったというエピソードを披露するなど、お茶の間に強烈な印象を与えました。司会の明石家さんまさんも、鈴木さんを気に入ったようで、その後何度も共演しています。翌2012年には350本ほどのテレビ出演を果たし、ブレイクタレントランキング女性部門で1位となります。天然ボケながら一生懸命なキャラがウケているのでしょう。ときおりTPOをわきまえず弾けすぎるところはありますが、番組サイドとすればそれも“見せ場”になる可能性があるので、大きな期待を寄せています。今回の番組も彼女の暴走がうまく作用した例でしょう」(芸能ライター)
芸人たちから激しくツッコまれても、怯むことなく笑顔を見せる鈴木は、今やバラエティ番組には欠かせないタレントに成長した。今のテレビ界でもっとも売れているといえる有吉弘行も、冠番組『有吉反省会』(日本テレビ系)の中で鈴木のことを「僕が自信をもって送れる今のバカの代表」と話すほど、その存在感は際立っている。
「鈴木さんはバラエティ番組で活躍して久しいですが、いまだにどこかオドオドしている感じがしますよね。読者モデル出身のタレントということで、あれよあれよと芸能人になっていった彼女には、これといった“芸”もなく、それを自覚しているからこそ、あの不慣れな感じが抜けないのかも。しかし、だからこそ自分のできることを一生懸命にやらなければと常に必死なのでしょう。そんな彼女だからこそ、ここまで売れっ子になった今も視聴者にとって“テングになっている”ようには映らず、かえって好感を持たれることにつながっている気がします。しかし、夫婦生活などのシモネタだったり、モデルらしからぬかっこ悪い踊りだったり、同じことを何度も言うトーク術だったりと、ウザイことは間違いないでしょうが(笑)、そういったキャラこそが彼女のりっぱな“芸”だと評価する業界人がいることも確かです」(業界関係者)
今のバラエティタレントには、オネエ、モデル、アイドルなど、畑の違う業種からの転向組も多い。読者モデル出身の鈴木もその1人だ。しかし、次から次へと新しい人材が出てきては消えていく世界で、2年以上に渡り第一線で活躍し、ステップアップしているタレントは珍しい。番組の中で夫を話題にすることも多い彼女にはスキャンダルの恐れは低く、このままの活躍を続ければ、いつの日か女性バラエティタレントのレジェンドとなるかもしれない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
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