童顔なのに潔い脱ぎっぷり! 注目のカメレオン女優・桜木梨奈の“女優魂”に脱帽!!

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 今年は若い女優たちの潔い脱ぎっぷりが目立つ。『愛の渦』(三浦大輔監督)では門脇麦、『2つ目の窓』(河瀬直美監督)では吉永淳、『TOKYO TRIBE』(園子温監督)では清野菜名、そして『海を感じる時』(安藤尋監督)ではあの市川由衣までが大胆なヌードを披露しているのである。

 ひと昔前までは、CM出演の際のクライアントの目などを気にしてヌードNGな女優が多かったが、10代や20代の若いうちから高いプロ意識を持ち、作品の中で必要ならばヌードも激しい濡れ場も厭わない、という気概のある女優たちが増えている。

 しかし、そんなムーブメントが興る前から、思い切りよく脱いでいる若手女優がいる。今年3月公開の『花と蛇 ZERO』(橋本一監督)で緊縛の魅力に目覚める若妻を演じて注目を浴びた、桜木梨奈だ。

 デビュー作にして初主演作である『耳をかく女』(2012年/堀内博志監督)から、立て続けに脱ぎまくっている彼女。セクシー女優ではないのに、ここまで脱いでいる女優も珍しい。

 その桜木が、得意なダンスによって新たな魅力を開花させた作品『LAST LOVE/愛人』(石川均監督)が、今年の10月に公開される。

 

sakuragi.jpgラブストーリーズvol.3『LAST LOVE/愛人』10月4日(土)より新宿K’s cinemaにてレイトショー (C)レジェンド・ピクチャーズ

 
 さまざまな愛のかたちについて、6人の監督がメガホンを取る恋愛映画シリーズ「ラブストリーズ」の第3弾となる本作では、火野正平演じる、ギタリストとして成功する夢を諦めた独身の中年男・岩田と、桜木演じる、双極性障害を煩いながらも奔放に生きるダンサーのユミが、互いに内に秘めた情熱や欲望を共鳴させながら寄り添い、独特の愛のかたちを展開していく。

 岩田が奏でるギターの音色に乗せて情熱的に舞うユミの姿には、これまで桜木が見せたことのない、“新たな体”があった。

 新境地を開いた桜木梨奈は、これからどのように進化していくのか。彼女に、女優としてのこれまでとこれからについて語ってもらった。

 
自分はセクシーだと思わない

──桜木さんはデビュー作から、注目を集めた『花と蛇 ZERO』、そして最新作『LAST LOVE/愛人』(以下、『愛人』)まで、自慰やフルヌード、緊縛などなど、かなり体当たりな演技を要求されていますが、脱ぐことや過激なシーンに抵抗はなかったのでしょうか?

まったくないです。最初に台本を読んだ時からヌードシーンがあることは承知していましたし、どの作品においても、その女の子の生活の一部としてそういったシーンがあるだけなので。基本的にどんな作品でも、常に“体当たり”はしているので(笑)、“脱いだり、吊るされたりしているから体当たり”とは思ってないんです。

──なるほど、ストーリーの中で必然であれば、抵抗はないということですね。若いのに、肝が据わっていますね。これまで演じた役から、セクシーなイメージを持たれることが多いんじゃないですか? 変わった性癖を持っていそう、とか(笑)。

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それはないですけど(笑)、自分は色気がないと思ってるんです。『甘い鞭』(2013年/石井隆監督)という作品で共演した間宮夕貴ちゃんや壇密さん、杉本彩さんをはじめとする『花と蛇』シリーズの歴代の出演者の方々は、本当に色気があってセクシーで、男性から見ても「うわ~この女とヤリたい」って思わせるものがあると思うんですけど、自分を見ていると、「こいつとはヤリたくないわ!」って思います(笑)。

──そりゃあ、誰だって自分とはヤリたくないですよ(笑)! でも、たしかに、桜木さんからは色気は感じますが、何というか、“女の邪気”のようなものは感じない気がします。『愛人』の中でユミは頼りたい男性に「パパァ~」と甘い声ですり寄りますが、ふつう、同性からするとイラっとするんですけど、桜木さんが演じるユミには、女性ながらキュンとしてしまいました。桜木さんには、性を越えた純粋な可愛さがありますよね。

やった! ありがとうございます。あ、これ喜んでいいのかな(笑)?

 
初仕事は“ヌーブラ・ダンサー”

──作品を選ぶ時の基準みたいなものはあるんですか?

台本を読ませていただいて面白いなって思ったり、役に勝手に運命を感じて、ビリビリって電気が走る感覚がある時に、「ああ、この役やりたい!」ってなります。そういう時に受けると、だいたい受かるんです。

──今回の『愛人』のユミ役もビリビリきたんですか?

今回の役は、実はビリビリ系ではなく、ストーリーが本当に素敵だなと思ったんです。子供の頃、ディズニー映画『ノートルダムの鐘』(1996年/ゲイリーとルースデール監督)に登場する踊り子のエスメラルダに憧れていたんですけど、奔放なダンサーのユミは、どこかエスメラルダと重なるところがあって惹かれたんです。

──桜木さんも女優の前はダンサーだったんですよね?

ダンサーというか、趣味でやっていただけなんです。ダンサーを目指したこともありましたけど、実力がなくて諦めました。でも、女優として事務所に所属することが決まって上京した時に初めていただいた仕事が、映画の中のバックダンサーだったんです。ある意味、夢が叶ったのでありがたかったです。

──ご出演歴に『中学生円山』(2013年、宮藤官九郎監督)もありますが、そのバックダンサーの仕事って、もしかして同作の妄想シーンで登場する“ヌーブラ・ダンサー”(女性たちがヌーブラとパンツだけ身につけて主人公を取り囲んで踊る)ですか?

はい、それです! デビュー作に出る前、経験を積むために出させていただいたんです。監督の奥さんの八反田リコさんが振付けを担当されたんですけど、「腰の動きがいいから、このコのお尻をアップで」って言われて、一番目立っちゃいました(笑)。

(その時の振りを踊る桜木さん)

──たしかに、腰にキレがありますね(笑)! いろいろな仕事を経験されているんですね。演技経験は、最初に主演された『耳をかく女』が初めてだったんですか?

映像での演技はその作品が初めてです。映画出演の1年前に、小劇場で時代劇系の舞台をやらせていただいたこともあったんですけど、芝居がどういうものかなんて、正直、その時は分かってなかったと思います。

──時代劇系の舞台というと、どういったものですか?

新撰組が好きなんですけど、その劇団がよく新撰組系の作品をやっていて、たまたまオーディション雑誌を見ていたら募集していたので受けてみたんです。どうしても沖田総司がやりたくて…。

──沖田総司、意外ですね(笑)! そこから桜木さんの演技人生は始まったわけですね。

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