だが、その奮闘は世間の「今のモー娘。は道重しか知らない」という状態を引き起こすことにもなった。テクニックを磨きまくったライブMCでは未熟な後輩メンバーが口をはさむことすらできず、グループでバラエティー出演してもトークを求められるのは道重が中心。モー娘。は「道重に頼りきった状態」が続いたことで、ほかのメンバーに光が当たらないというジレンマを抱えることになった。
「道重の悲願は、モーニング娘。のNHK『紅白歌合戦』再出場です。しかし、彼女はそのステージに立つことなく11月26日の横浜アリーナ公演で卒業してしまう。その時期を決めた大きな理由の一つとして、『紅白』をほかのメンバーのアピールの場にしたいという狙いがあった。去っていく彼女がいたら、ほかのメンバーが間違いなくかすんでしまう。そうならないために、道重は自分の悲願よりも『娘。』への愛を優先したんです。卒業後の無期限休養も、自分が活動していたら今のモー娘。メンバーに光が当たらなくなるという理由もあるのでは。そのくらい彼女の『娘。』に対する愛情は深い」（芸能関係者）
身を粉にして奮闘してきた代償である体調不良やストレス、そして何よりもモー娘。の後輩を思う気持ち…そういった事情が「卒業後の無期限休養」という重大な選択を決める要因になったようだ。この偉大な先輩の期待に応えるためにも、残されたメンバーたちは『紅白』出場の宿願を果たし、今のモー娘。をアピールしなくてはならない。
幸いなことに現在のモー娘。は、天才的なダンスと美少女ぶりで新エースといわれる鞘師里保（16）や、極度の“ぽっちゃり”ぶりがネット上で大きな話題になった鈴木香音（16）、KY発言と全力ダンスでファンを魅了する生田衣梨奈（17）など素材が豊富。9月30日の日本武道館公演で新メンバーがお披露目されることも決定している。
道重が安心して復帰できるような環境をつくるためにも、さらなるモーニング娘。の飛躍を期待したい。
（文＝佐藤勇馬／Yellow Tear Drops）
