運営がファンに賠償請求、アイドルグループのメンバー脱退騒動が泥沼化


 だが運営サイドは対決姿勢を崩そうとせず、赤虎氏は9月初旬に開催されたトークイベントで「ファンとの交際が辞める直接的な原因になったのは、私と元メンバーとのメールのやりとりで明らか」と語り、さらには「(脱退したメンバーの)1人は突然メールで『辞めまーす』。もう1人は時機を見て公式に脱退発表すると合意したにもかかわらず、突然バックレた」と内幕を暴露。「やくざを使って殺す」と脅迫したというファン男性の告発に関しても「全くのウソ。そもそも、そのファンとのやりとりはない」と完全否定している。

 この泥沼の状況に対し、ネット上では「823万はおかしいだろ」「この運営が恐ろしいという印象しか残らない」「メンバーはまだしもファンは関係ないだろ」などと、運営の言動を疑問視する声が多数上がっている。

 実際のところ、アイドルグループの運営会社がメンバーやファンに損害賠償請求することに正当性はあるのだろうか。

「メンバーにグループ内のルールで恋愛禁止を課すのは自由ですが、それはあくまで脱退や謹慎といった処分に限られる。損害賠償となると憲法で保障されている個人の自由の問題にかかわってきますから、かなり難しいでしょう。もし仮にメンバーは契約条項に同意したのだから責任があるとしても、ファンは契約していませんから全くの無関係。運営サイドのルールに縛られるいわれはない。それどころか、実名公表によるプライバシーの侵害でファンから逆に賠償を求められる可能性もある。運営側も本当に賠償金が取れるとは思っておらず、収まりきらない怒りの捌け口としての言動なのでは」(法曹関係者)

 だが運営側の強硬な態度を見る限り、裁判突入は避けられなそうにない状況だ。今年3月に発売した4枚目のシングルがオリコン週間ランキングで7位に入り、メジャーデビューも間近と期待されていた同グループ。世間に広く名が知られるのが今回の醜聞となってしまったのは、果たして吉と出るか、凶と出るか。騒動の行方とともに、思わぬ波乱に巻き込まれたメチャハイの今後を見守りたい。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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