金曜夜7時の人気番組『爆報!THEフライデー』(TBS系)。病気、自殺、借金など芸能人のあらゆる過去を掘り下げる「下世話」的志向が受け、6月20日の放送では番組史上最高となる15.6%を記録した(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。
だが、そんな絶好調の番組に対抗しうるソフトが裏の時間帯で育ちつつある。それが『笑神様は突然に…』(日本テレビ系)だ。芸能界の仲良しグループが台本もない中でロケに操り出し、笑いの神が降りた瞬間だけを切り取ってランキング形式で放送するロケバラエティだが、今月22日の放送では、視聴率が『爆報』の10.5%に対して『笑神様』は10.1%と肉薄している。
「『爆報』のような、芸能人の不幸をこれでもかと見せる作りを嫌う層が、ゆるさが売りの『笑神様』の主な視聴者になっていると思われます。それに加え、番組の人気にはウッチャンの存在も大きいでしょうね」(制作会社スタッフ)
『笑神様』のMCはウッチャンナンチャンの内村光良だ。その「人畜無害」なイメージが番組のテイストに合っているということであろう。
さて、そんな内村が単独で司会を務めているレギュラー番組を見てみると、驚くことに合計8本のうちなんと半数が日本テレビの番組である。先の『笑神様』のほか『世界の果てまでイッテQ!』、『スクール革命!』、そして過去7回の特番の好調を受けて、7月から始まった『真実解明バラエティー!トリックハンター』の計4本だ。現在、有吉弘行がMCを務めるレギュラーは11本で、そのうち日本テレビの番組はわずか3本であることを考えても、内村の日本テレビへの登板はやや多い気がする。
この現象について、前述の制作会社スタッフはこう述べる。
「これも内村さんの人脈、人徳でしょう。彼の復活ののろしは、多くの芸人のシンパを生んだ『内村プロデュース』(テレビ朝日系)と言われていますが、やはり『世界の果てまでイッテQ!』が大きい。その下支えになったのが、現在日本テレビの制作局の次長を務めている安岡喜郎氏です。もともとはラジオ局のニッポン放送のディレクターとして『ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン』を担当しており、ウンナン人気の底上げに貢献しました。その後、安岡氏は日テレに中途入社し、懇意にしていた内村を司会に『イッテQ!』を立ち上げたのです。深夜枠だった同番組は、その後ゴールデンに進出。今や日テレを代表する人気番組に成長しました」