現在ではアダルト系無修正の画像や動画が、インターネットでいくらでも、しかも無料で入手できるわけだが、ほんの10数年前までは無修正モノといえばカネを出して買うのが普通、さらにそれ以前は手に入れることすら困難という時代が長らく続いていた。修正が大原則で、ヘアが数本でもはみ出ていただけでも摘発の対象となったのである。
そうした時代に、業者はいかにうまく修正をほどこすか、一般ユーザーのニーズを満足させると同時に、当局の目をごまかせるかに知恵と力を重ねていたのである。
そんな時、あるアダルト商品が都内の専門ショップの棚に並んだ。A4判大の封筒に入った10枚程度のアダルト写真で、おそらく人気のある裏本の原盤か、あるいは複製を流用した、かなり大胆なポーズの作品で、もちろんセックスシーンも何枚も入っていた。裏モノに詳しい方なら元ネタのタイトルまでわかったであろう。
だが、普通のショップで売られていたものであるから、無修正であるわけがない。女性の局部や男女の結合部分には、何かの樹脂らしき白い物質が塗られていた。そのままでは、ユーザーが最も見たい部分がまったく見えなかった。
この商品、都内のアダルトショップで2000円から3800円程度で売られていた。当時流行していたビニール本よりも、1割から3割ほど高かった。筆者が買い求めたのは、おそらく最安値の1800円。神保町の某有名ショップにて購入した。
さて、ビニール本は、ショーツやベール越しながら、ユーザーの希望を満たす「透け具合」を実現していた。
「ビニ本より高いのだから、見えるのだろう」
そう思ってこの写真セットを買った男性たちは、白く塗られた修正に愕然としたことだと思われる。そして思った。「このままでは見えない。だが、何か方法があるはずだ」と。