女性美の極地! 性に溺れる美女たちの痴態に酔いしれる!!

bijoshaniku0604.jpg少女たちはどこまでも美しくて、目が離せない。じっと見つめ続けて
いたら心を捉えられてしまう。そんな美少女の痴態あふれる作品集!

『美少女謝肉祭』著:山崎かずま/エンジェル出版

 女性は、美しい。

 エロマンガにおいての基本中の基本です。しかしそれは「当たり前」ではないのです。あらゆる作家が、いかに作品中の女性たちを魅力的に、美しく(時に淫らに)描こうかと試行錯誤をし続けた末に、辿り着いた境地なのです。

 それは、山崎かずま氏の作品の表紙を見てもわかるでしょう。すごいです。淫らで、妖艶な食堂! そこに料理の代わりにいるのは、美しい女性たち。みな行動はバラバラですが、それぞれ全員こちらに向かってセックスアピールをしています。

 この作品集はまさにこのイラストに表現されているように、短編それぞれ1作1作、とことん少女たちがいかに美しいかを描くことに注力しています。

 それも、微妙な物悲しさをもって。ものすごく欝なわけでもなければ、飛び抜けたファンタジーでもありません、コーヒーに一滴ミルクを垂らすかのように、寂しさと不思議さと妖艶さを入れる。そのあんばいが非常にエロティックなんです。

 最もこの作家の作風が出ているのは短編「インタースティス」。主人公の男性がふと目を明けると、そこは見たこともない広大な荒野。眼の前にたまたまいたのは、おかっぱ頭の医療着を着たひとりの少女。ここはいったいどこで、こいつは一体誰なんだ?

 少女が話しかけます。「もう……独りは嫌……寂しいのは嫌なの……」。ふたりはどちらからともなく、体を重ね合います。

 セックスシーン自体はそれほど明確には描かれません。遠くから男性と女性が絡んでいるのを見ている、という描写ではなく、男性が見ている視線をなぞるようにして描かれています。つまり、徹底して少女の姿を見ることに終始しているんです。目の前で、あどけない少女がもの寂しそうにしながら性を求める姿がある。それを満たして、絶頂に達する姿がある。なんて美しいんだろう!

 実際にその少女が何者だったのかは、読めば分かります。その過程の空気は、エロシーンではないのになんだかエロティック。お互いの心が満ちる幸せがそこにあるからです。

 和姦物の「少女トラップ」もまた、女の子の美しさをとことんまで突き詰めた作品。「……ホレたら負けってホントだよな……」なんて言っていますが、まさにそのとおり。あどけなくて幼く無邪気に見える少女が、べたべたくっついて世話を焼く様子は、思春期少年視点フィルターを通すともう恋愛対象であり肉欲の対象。「女」の匂いがプンプンするのです。

 ふたりはその後、ことに及ぶのですが、性器やおっぱいだけではなく、表情に対して異常にこだわっているのがポイント。こう突いたらどんな表情をするのか? ここを責めたらどんな顔をするの? 「痴態」という表現がぴったりなのです。

 それでいてこの作品に出てくる女性たちは、都合のいい女ではない。「少女トラップ」ではラストに、少女の「好き」の気持ちに絡め取られて男が流されます。それでもいいかな、と思ってしまう罠なのですが、あまりにもいい笑顔で少女が見つめてくるんだもの、そりゃOKしちゃいますわ。

 他に出てくる女性たちも、なにげに強くてしたたか。けれども嫌味は一切ありません。むしろ巻き込んで食われたいと感じてしまうほど。それほどまでに、女性の表情・姿にがっちりカメラは向いています。もう女性の美しさから目が離せなくなっているという状態ですよ。だよね、エッチしていたら女の子しか見ないよね。

 この本に収録されている「少女○○」とついている短編は、別にシリーズではないんですが、どれも独特な空気感を味わえる作品ばかり。タイトルのとおり、とことん少女を描くことにこだわっています。ちょっと不安定で、消えてしまいそうで、触れ続けていたいと感じる存在として。手が届く位置にいるんだけど、なんだかちょっと自分より上にいる感覚。絵画でも見ているような感覚。

「少女イノセント」は久しぶりに再会した姉と弟の物語ですが、成長して美しくなった姉をがっつり描くことで少年の思いが姉に注がれているのが見えてきます。忘れないように、と姉は体を重ねあうのですが、少年から見た姉の痴態はあまりにもキラキラしています。

 ラスト、「姉ちゃんのこと迎えに来るから……っ!」という少年の姿はかわいらしいのですが、それに対して非常に含みのある表情で「忘れんなよ?」という姉が、なんとも妖しい。女性を知ったようで、逆にセックスすることでわからなくなる感覚に翻弄されます。

 物語は様々で、剣士物、SF、ファンタジーなども含まれています。しかしどれも軸は同じ。女性は美しい。少女は妖艶。

 この蜘蛛の巣に絡め取られるのも、一興ですよ。

(文=たまごまご/たまごまごごはん

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