誰もが夢見るシチュエーションを描いたほんわかエロティックラブコメディー!
たかやKi著「恋糸記念日」
ドキドキが高まる秘密の呪文があります……「5歳年上のアパートの管理人さん」。
グーッと来た! グーッと来たよ! ぼくが! え? 来ない? いやいやいや、考えてみてくださいよ、自分が大学生。アパートの管理人さんが、5歳年上の清楚可憐で働き者の美人なお姉さん。ほら、やばい。ここに未亡人が入ると『めぞん○刻』世代には直撃過ぎるんですが、そうじゃなくてもこのシチュエーションはたまりません。
たかやKi氏の初単行本『恋糸記念日』(コアマガジン)は、管理人さんとの甘い恋愛から結婚までを描いた連作「むすんでひらいて」を中心とした作品集。非常にエロティックなんですが、読み終わった後に真っ先に感じるのは「ああ、恋したいなあ」という思い。強く強く恋愛感情が詰め込まれており、かなりその空気にあてられます。
物語自体は王道中の王道です。ちょっとおっちょこちょいで、主人公がいいなあと感じている管理人さん。ある時部屋に手伝いに上がったら、裸を見てしまってお互いを意識し始めてしまう。そして、管理人さんと両思いなのが判明してうんじゃらかんじゃら。
でもこの王道が見たいわけですよ。「5歳も年上だし…」って言われたら「そんなの関係ないです!!」って言いたいんですよ。「お姉さんをドキドキさせた責任…ちゃんと取ってね…」って言われたいんですよ。しくじって早漏しちゃった時に「私…もう1回してほしいな…」って言われたいんですよ。事後に「腕枕初体験(はーと)」ってデレデレになってほしいんですよ!
初体験後の展開がまた良くて、年上であることにコンプレックスを持っていた管理人さんが、昔着ていた高校の制服を着用するんですよ。たまたまそれが見つかって主人公は激しく興奮し、制服エッチ。いやぁー、求めていたものを出してくれる。「男の人は制服が好きっていうから、それでその…何となく着ちゃって…」とか言わせたいじゃあないですか、もうかわいいなあ。
とにかくヒロインを徹底的にかわいく見せる手腕が尋常ではありません。エロマンガを相当量読んでいる人には、セックスシーンの刺激はそこまで強くないかもしれません。しかしそれはエロを軽視しているのではなくて、目の前に居る彼女が愛しくてたまらないからという気遣いなのです。好きで好きでたまらないから丁寧にしたい。時々激しく求めて突き上げるけど、その後、管理人さんが気持ち良くイく姿を優しく抱きしめたい。
ああ、こうやって愛は深まるのね。
途中、つまみ食いしちゃう淫乱お母さんや、コケティッシュで小悪魔な妹ちゃんもストーリーに絡みながら、ふたりはめでたくゴールイン……の登壇前にもセックス! とことんまでシチュエーション極めてくれます。
本作品集もうひとつの目玉はカラーエロマンガ。かなりのボリュームが収録されています。ハイテンションで、ファンタジー調の女サンタ物語やおはらい巫女さんなどの短編が集められています。
性器のプリプリ感も素晴らしいんですが、やはり見どころはカラーのぷっくりおっぱい。触ったら、こりこりふくらみそうな桃色の乳首がとてもキュートです。
キャラクターが気に入ったらじっくり何度も楽しめる作品です。それにしても、うっすら生えた陰毛へのこだわりが実に素晴らしい。このぽわぽわ生えた感じがいいんですよねえ……。
(文=たまごまご/たまごまごごはん)