“最後のヌードグラビア誌”の呼び声も…長寿エロ本『Bejean(ビージーン)』が20年の歴史に幕


 現在のBejean編集長・滑川博士(なめかわひろし)氏に、休刊についてお話をうかがった。

「前号で休刊を告知してから、読者から問い合わせの電話がスゴかったんですよ。やっぱり290円という価格でやらせてもらってたんで、『年金で生活してるんで、Bejeanがなくなったらエロ本買えない』とか、『ふざけんな! なんでやめんだよ!?』とキレられたりもしました(笑)。カメラマンさんからは『Bejeanが終わるなんて思ってもいませんでした』と驚かれたり…」

 そもそも、どういった経緯で休刊になったのだろうか?

「昨今のアダルト雑誌市場の急激な落ち込みと、社会的な状況を踏まえ休刊…という結論に至りました。ご存知のように、エロ雑誌が次々と休刊したり、毎年のように出版社が倒産したりしてますよね。これまで需要に対して供給が多すぎたから業界全体が苦しんでいたわけです。苦しみながら続けていくこともできたんでしょうけど、身を引く…じゃないですが、コンビニ売りはこのあたりが潮時かと…」

 今後、コンビニに置かれるエロ本については?

「やっぱり東京オリンピック次第でしょうか。コンビニからエロ本はなくなるとは言われてますが、今のところはこれまでと何も変わりませんし、とくにお上から牽制もされてません。さっきの話の続きになりますが、今後は多すぎた需要が適正に近づいていきますから、このままオリンピックの影響がなにもないようなら細々とやっていけると思いますよ。エロ本自体がもともとアンダーグラウンドなものですからね。本来のあり方に戻ったと考えればいいんです(笑)」

 業界最安値290円(号により金額は変動)という牛丼並みの低価格で勝負していた同誌は、発行部数10万部という数字から一見ヒットしているかのようにも思えたが、やはり時代の流れには逆らえなかった。今年の夏を最後に、惜しまれつつも休刊(実質「廃刊」と言っていいだろう)する。また、同じジーオーティーが発行している月刊アダルト誌「べっぴんDMM」「素っぴんDMM」も合わせて休刊となる。ネットでエロ見放題な世の中でも、「俺はキレイなヌードグラビアじゃないとヌケない」とBejeanを買っていたファンからすると、20年続いた長寿エロ本の休刊は、彼らにとってもエロ本からの卒業となるのかもしれない…。

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