“最後のヌードグラビア誌”の呼び声も…長寿エロ本『Bejean(ビージーン)』が20年の歴史に幕

BJ20140822.jpg※画像:「Bejean(ビージーン)2014年10月号」ジーオーティー

 厳しい状況が続いているエロ本業界の中で、またひとつ成人向け月刊誌が姿を消すこととなった。コンビニに行けば必ず目にした老舗ヌードグラビア雑誌「Bejean(ビージーン)」(ジーオーティー)が、8月22日に発売する251号をもって休刊となるのだ。

 同誌は1994年に「Beppin(ベッピン)」(英知出版)が猥褻図画販売容疑で廃刊になり、名前を「Bejean」に変えて創刊されたのが始まり。グラビアを主体とした情報誌であり、AV女優の等身大ヌードポスターが付録になっていることから、それほしさに購入する読者も多かったことで有名だ。当時、編集長を務めた国寺五十六(くにでらいそろく)氏が大の巨乳好きとあって、タレントやAV女優、企画に至るまで巨乳モノが多いことから、巨乳専門誌と思っていた読者も少なくない。

 2005年になると、発行元である英知出版が男性向け雑誌部門を株式会社ジーオーティーに営業譲渡し、発行が引き継がれることとなる(その後、2007年に英知出版は経営破綻により自己倒産)。

 「Beppin」時代から編集長を務めた国寺氏は、当時をこう振り返る。

「Beppin時代は、月刊30万部刷ってほぼ完売。調子に乗って月2冊出す隔週にしましたが、それでも50万部刷って8割くらいは売れていました。巻頭グラビアの撮影のためだけに海外ロケを組んだり、カメラマンのギャラも破格でしたから、当時はどの業界もバブルだったんでしょうね。その後、Beppinが摘発されたことで中身のエロ度を薄めると、なだらかに部数も下がっていきまして…。その辺りがエロ本バブルが弾けた時期だったんだと思います。そんな中、当時の英知出版のオーナーが一般事業だけをやりたいと言いまして、エロ本事業はジーオーティーに譲渡したわけです。その頃の社員は英知出版に残って一般誌をやるか、会社を移ってエロ本をやるかを選択しなくてはならなかったんですが、僕は自分が作ったBejeanが可愛いですから、副編集長と他のエロ本スタッフ数名を連れてジーオーティーに移り、発行を続けることにしました。移ったばかりの時は、人手不足もあって徹夜も多く、40日間休みなしだったりとしんどかったですね」

 「Bejean」の人気企画といえば、AV女優としてデビューする前の女の子や、現役アイドルの初ヌードを撮影する「初写美人」が有名だ。蒼井そら、葵つかさ、希志あいのなどの有名女優もBejeanでヌードデビューしている。また、新人アイドルを発掘する「Bejean女学館」、白ビキニグラビアの「白娘隊」では、市川由衣、杉原杏璃、今野杏南、倉持由香、一ノ瀬文香といった人気アイドルも出演していた。過激さやDVDの映像をウリにするエロ本が増える中、20年間“グラビア誌”という基本スタイルがブレることはなく、“最後のヌードグラビア誌”との呼び声も高かったのだが…。

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