性犯罪の再犯防止のため保護観察中の少年に去勢手術

0707opera_fla.jpg※イメージ画像:Thinkstockより

 レイプ犯罪などが起きるたびに、犯人に対して「そんなやつはモノをちょん切ってしまえ」という、意見というか野次というか、そういう声が起こることが少なくない。

 ところが、かつて実際に性的犯罪を予防するという目的で、男性に外科的に手を加えてしまったというケースがある。といっても、本当にペニスを切断してしまったわけではないのだが。

 昭和6年(1931)8月1日の「大阪朝日新聞」が伝えるところによれば、東京少年審判所に保護されていた18歳の少年に対して、「性的犯罪性を除去する」という目的で去勢手術を施したというのである。ちなみに、少年審判所とは旧少年法に基づいて少年の保護処分を行う機関で、家庭裁判所の設置とともに戦後になって廃止された。 
 

0707opera_sub.jpg※画像:「大阪朝日新聞」昭和6年8月1日

 
 記事によれば、この少年は「性的凶暴性を持った者」というから、おそらくすでにローティーンの頃から強制わいせつや婦女暴行などを繰り返していたものと思われる。そして、親もとで保護観察中だったが、親たちのほうから少年審判所のほうに「泣き込ん」できたという。おそらく、少年の素行や性格が、親でも手がつけられないほどの有様だったのだろう。このままでは本人も身を破滅させ、さらに世間社会にも被害が広がると思い悩んだ親族が、行政の判断に身をゆだねることを決意したのだと考えられる。

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