京都のアダルトショップで働きながら、関西圏を中心にフリーランスのライター業を営む筆者。つい最近、米の旅行雑誌が読者投票により選ぶ「2014年の人気観光都市ランキング」で京都が初めて1位になったが、そもそも京都は“観光と学生の街”として有名だ。ということで、私が勤めるアダルトショップには、飲み会の帰りと思しき酔った大学生などがひやかしに来ることも多い。
彼らの会話は、バカみたいに声がデカいため、こちらが聞き耳を立てなくてもすべて筒抜け。内容を聞いている限り、「うわっ、こんなDVDあるんかー!」といったウブな反応が大半を占め、AVそのものに詳しいわけではないということが分かる。しかし、そんな学生たちがほぼ必ずと言っていいほど話題にする女優がひとりいるのだ。
「あっ、俺、この女優知ってんで! 可愛いよな~上原亜衣!」
そう、何を隠そう、我がショップで1日に“必ず”数本は売れる女優、それが上原亜衣。2011年にAVデビューし、今年で早4年となる彼女だが、入れ替わりの激しいAV業界において、すでにベテランの域にいる。旬であることが大きなアドバンテージにもなるアダルト業界の常に逆らうかのごとく、ここ数年の安定した売り上げは異常な状態に思える。なぜ大学生という若年層にも認知され人気があるのか、そして、なぜ売れ続けているのだろうか…。
そもそも現在のアダルトショップの客層だが、若干お年を召された方が多く、若い人たちがあまり来ないという現実があったりする。他店はどうだか分からないが、少なくとも私が勤めている店はそうだ。来たとしてもほとんど買わない。その背景には、“若年層においては”という前置きが必要かもしれないが、ネットでのダウンロードが主流になりつつあることや、無料動画サイトの利用などの要因があるのだと思う。これらの理由によって、わざわざ店頭に来てパッケージを吟味し、DVDを選ぶ必要がなくなった。 また、ある調査によれば、現在20代の4割が童貞であるというウソのようなデータもあり、若者の性欲が減退、以前程アダルト動画を欲していないということや、漫画などの可愛いキャラクターの影響で、リアルな女性に対して興味を持たない、2次元萌えな方々の増加なども無関係ではないだろう。
さて、そんな中、若年層が話題にする上原亜衣の魅力を一言で表すとすれば、ずばり“オールラウンダー”という言葉に辿り着いた。つまり上原には、あるジャンルだけに特化しない、女優としての幅があるのではないだろうか。