AV男優になる方法は?一番大切なのは射精のタイミング!

AV業界への就職を考える人へ! これがAV会社の実態だ!! 第四回「険しすぎる男優への道」

0612danyuu_fla.jpg※イメージ画像:Thinkstockより

 筆者は仕事の都合で、最低でも月30本はAVを観なければならない。多ければ100本を超えることもある。新人女優の初々しいカラミから、企画単体女優のハードなプレイなど、たいていの場合見どころは決まっている。AV鑑賞は趣味と実益とをかねてはいるが、かれこれ5年もルーティンワークのように続けていると、どうしても多少の“飽き”が生じてしまうのは人間のサガというものだ。

 AVの見方も10代のそれとは大きく変わった。女優のルックスや体型、反応だけでは満足できない体になってしまったのだ。そんななかでAVを楽しむ要素のひとつにしているのがAV男優の演技である。

 おそらく10代の頃であれば、早送りの対象となっていた“余分”ともいわれるドラマシーン。しかし30歳も超えると、その余分なスパイスが愛しく思えてくるのだ。昨今は素人モノやハメ撮りモノの隆盛によって、年々重要性が低下しているが、よく見ていると男優の演技は、その辺の男性アイドルよりも味があるし、なかなかクセがあって面白い。

 かつて個性派AV男優といえば、村西とおるにはじまり、チョコボール向井や加藤鷹などのアクの強い男優であった。この辺の大御所たちに言わせれば、最近の男優は個性が薄いらしい。たしかにユーザーがうっとうしいと思うほどに主張が強い男優であったし、昨今は女優を際立たせるために、男優の存在自体をなるべく目立たせないような演出が施されているケースが多い。

 しかし、そんな情勢のなかで最近のAV作品におけるドラマシーンの質は、向上していると断言できる。女優は相変わらずだが、噛めば噛むほど味が出る男優がいる。佐川銀次や田淵正浩、大島丈やピエール剣など、名前を聞いただけではわからなくとも、顔を見れば誰でもすぐにわかる男優の演技に心を躍らせてしまうのだ。

 筆者同様に男優に注目している人が少なからず増えてきたのだろう。近年『セックスの向こう側 AV男優という生き方』などの映画やイベントなどが開催され、AV男優にも脚光が当たるようになってきた。今年4月には日本AV男優協会(※http://www.jpactors.com/top)も設立。約50人のプロ男優が登録し、活動報告や性活相談などを行っている。

 月に3~4500本もの新作タイトルが発売されるなかで、プロ男優は70人ほど。一人当たりでいうと毎月40~60本のタイトルに出演している計算だ。ほぼ毎日AV女優とセックスしていることになる。男として、こんなにうらやましい日々はないだろう。

AV男優になる方法は?

 では、いったいどうすればAV男優になれるのだろうか。

 一番カンタンだと思われる道は、制作会社に入ること。たとえばブッカケの現場では、時折精子が足りなくて、ADが撮影に駆り出されることがある。ここで監督の指示どおりにタイミングよく、さらに大量の精子を出すことができれば、次の撮影でも使われる可能性がある。こうして経験を重ねていけば、プロ男優になれるかもしれない。あるいはメーカーが募集する汁男優に応募するという方法がある。現場で監督に気に入られると、次に繋がることがある。

 いずれにしても監督に気にいられることが大事なのだが、どうすれば気に入られるか。個性が強かったり、ペニスがデカかったりということよりも、一番大切なのは「適切なタイミングで勃起、射精ができること」だ。AV現場で、もっとも男優が避けなければいけないのが“勃ち待ち”である。撮影現場において勃起しないペニスは無用の長物。ましてやADや汁男優の“勃ち待ち”などありうるはずもない。せっかくチャンスを掴んでも水の泡となってしまう。

 目の前にカワイイAV女優の裸があるんだから余裕だと思う人も多いだろう。しかし、これが実に難しい。時には十数人にも及ぶ汁男優に囲まれてのオナニー、飛び交う監督の罵声、撮影現場の非日常的な雰囲気のなかで、勃起かつ射精を自然体でできる人のほうが圧倒的に少ないのである。本気でプロ男優になりたいと思うのなら、男の友人たちの前で罵られながらオナニーしてイケるくらいのスケベ力が問われることになる。

 これができて初めてプロ男優の道が、ほんの少し開かれるだけだ。真のプロになるためには女優とセックスしながら、およそ40分以上は挿入できる体力と勃起力がなくてはならない。決して遅漏ではない。監督に「5分後に発射で」と指示されたら、その通りに発射しなくてはならないのだ。つまり、射精を完ぺきにコントロールできなければならないのだ。

 さらにプロ男優は、ずぼらであってはならない。プライベートで見知らぬ女性と生セックスなど、決してしない。というのも性病にかかれば廃業の危機に追い込まれるからだ。多忙な男優ほど、1~2週間に1度のペースで性病検査を受けている。体調管理もしっかりしていなければ、より良い射精ができない。そのため、プライベートはかなりストイックな生活を送っている男優もいる。セックスを売りにする以上、現場で必ず勃たなければならないからだ。

 ここまで険しい道のりを経て、プロ男優となるのだから、その人数が限られるのは致し方ない。個人的にはプロ男優は、アスリートだと思っている。人間の根本的な欲求をコントロールするなど、常人ではできないだろう。それでも本気でプロ男優になりたいと考えている人は、まず射精のコントロールを日々訓練しておくといいだろう。そして、まずは汁男優として監督やスタッフに気に入られること。人間としてのコミュニケーション能力も問われることは追記しておきたい。

 プロ男優――それは男にとって究極の職業であろう。それゆえに頂点に登りつめるためにはスケベなだけではない、欲求を支配する神の領域に挑戦し続けなければならないのだ。
次回へ続く
(文=中河原みゆき)

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