普段放送されている合コン企画より、断然面白いと評判の告白企画。これまで放送されていた「ラビットパーティー」では、基本的に大人の男女が合コンをする模様をAKBのメンバーがスタジオで見るといった構図で、そこには、恋愛禁止という暗黙のルールの中にいるメンバーが大人の恋愛を学ぶといった主旨が隠されていた。しかし、今回の告白企画は、まさに等身大の彼女たちが垣間見える。彼女たちが描く青春の1ページを、ファンと一緒に共有しようというテーマは、たとえそれが仕事上の擬似告白であれ、単なる妄想であれ、自然体の魅力にあふれている。アイドルに夢を抱くファンにとっては、彼女たちが背伸びをして大人の恋愛を学ぶ姿より、淡い青春を共に過ごす姿のほうが断然興味深いに違いない。
まさに“会いに行けるアイドル”の真骨頂といえる告白企画。そして、これまでアイドルとして青春を過ごし、恋愛禁止を自らに課した彼女たちにとっても、この告白企画は、放課後の思い出のようなものになるに違いない。とはいえ、好きなアイドルが突然やってきて愛を告白してくるなんて、まるでゲームの世界。しかし、そのファンタジーを実現してくれるアイドルに、ファンは心を奪われていくのかもしれない。会いに行けるアイドルから告白してくれるアイドルへ。AKBの非リアル化はこれからも続きそうだ。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)