露出を求められるのはグラドルの宿命ともいえるが、それについて吉木は「私は割り切ってやっています。あと、交渉しているので、これはいいけど、これはだめだよってことをちゃんと伝えて、それで納得してやっているから」と発言。続けて「操り人形になっちゃダメなんですよ、グラビアアイドルは」と、周囲に流されて“搾取”の対象になるべきではないと持論を展開した。
吉木はギャラについても「私もお給料をもらっていますが、それほど過酷な額ではない」と述べており、彼女は上手くやっているようだ。小明が嘆いていた状況とは、かなり格差がありそうである。
「グラドルの待遇については、基本的に事務所の大きさがモノをいう。吉木は、壇蜜や杉原杏璃ら有名グラドルを多数抱える大手のフィットワン所属。事務所が大きければ、セクハラカメラマンがいても注意できますし、納得いかない露出を求められれば拒否することも可能。大手なら出版社側の意識も違うため、ギャラの交渉もできるようになる。一方の小明は、かつて比較的小規模な事務所に所属しており、そういった小さい事務所はタレントを守るよりも利益を重視しがちなところもあります。ギャラは言わずもがな。仕事の付き合いが途絶えることを恐れ、現場で事前に聞いていない過度の露出を求められても、本来は断る立場のマネジャーが知らん顔といったこともある」(芸能関係者)
吉木がそれなりの待遇で仕事を続けていられるのは、本人の努力だけでなく事務所の力によるところも大きいようだ。だが、世のグラドルの大半は小規模な事務所。状況が厳しくなっても華やかな芸能界にあこがれてグラドルになろうとする女の子の多さは依然変わらず、結果として待遇が悪化の一途をたどっているようである。
こうした構図はグラドルだけでないようだ。90年代にトレンディ女優として活躍した千堂あきほ(45)は、3日放送の『内村とザワつく夜』(TBS系)で「当時の月給は5万円だった」と明かしている。売れっ子だった当時、千堂は『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)『振り返れば奴がいる』(同)といった大ヒットドラマに出演し、7~8本のCMにも出演。それだけ大活躍していながら月に5万円しかもらえないというのは異常だが、当時の千堂は他のタレントがどのくらいもらっているか知らず、それが当然だと思い込んでいたという。
「ビジュアルで売っている女性タレントは稼げる時期が世間知らずな若いうちだけということも多く、事務所にとっては“搾取”しやすい存在。とはいえ、当時の千堂の所属先は有名な大手事務所ですから、そこまで酷かったというのは驚きですが…。元イエローキャブで現サンズの野田義治会長が『自分たちは女衒、タレントは吉原の遊女』とテレビ番組で口を滑らせたこともありますが、ほとんどの業界人の感覚はそれと似たようなもの。吉木が言うように、本人が操り人形にならないように自分の意思を持って仕事をしなければ使い潰されてしまいます」(前同)
世間知らずなお嬢さんが業界人に見染められてスターダムにのし上がる…そんな夢物語は存在せず、タレント側も自衛意識を持って仕事をしなければならないようだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)