AKB襲撃事件、川栄李奈・入山杏奈の負傷で浮上した「握手会廃止論」


 影響はそれだけでなく、握手会そのものの是非を問う声もある。前述したように絶対的な安全の確保は難しく、グループの人気が出れば出るほど参加者の数は増えて警備体制の限界を超え、危険は増していく。秋葉原で細々とやっていたころならまだしも、全国区のトップアイドルグループとなったAKBが握手会を続けていくことに疑問を投げかける人は少なくない。「これを機会に廃止すべき」という意見も数多く上がっている。最悪の場合は二人の命にかかわっていた危険性もあるのだから、そういう声があるのも当然だ。だが、それでも握手会をやめられない事情があるという。

「AKBグループは握手会などの“接触イベント”を収益の柱にして成長してきた。CD不況の昨今、AKBが驚異的な売上を維持しているのは握手券や投票券を付けているからに他ならない。握手会ができなくなれば、AKBといえども売上は激減してしてしまう。廃止すれば億単位の損失になりますから、よほどの批判がない限りは廃止の決断はビジネス的にあり得ない。もちろん、ファンにとってもメンバーにとっても握手会は大事な触れ合いの場であり、AKBの『会いにいけるアイドル』というコンセプトの根幹にかかわってくる問題でもあります」(前同)

 いくら人員や金銭面の問題があるとはいえ、この不況時代に運営サイドやレコード会社が大儲けしているのはメンバーあってこそ。ビジネス的な判断ではなく、彼女たちの安全を最優先に今後を決めてほしいものだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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