やめられないクセは「すぐに股間を触ってしまう」ことだと明かした織田。「気をつけないと今でもやってしまいそう」という織田の顔は、やはりここでも笑顔。さらに、好きな女性のタイプとして「バブルの匂いがする女性」や「ワンレンボディコン肩パット」に憧れているが、「セックスアピールの強い女性は苦手」だと語る織田。しかし、芸人たちから「でも、女性の胸元が開いていたら見ちゃうでしょ?」と聞かれると、少し興奮しながら「み、見る」とつぶやく。矛盾する解答ながら、そこにもやはり彼の素直さがにじみ出ていた。
その後、番組の中で、スタジオが引くほどの本気のゴリラのものまねを披露した織田。観客から小さな悲鳴が漏れるようなものまねだったが、彼はそれを最後まできっちりやりきり、「ありがとうございました」と頭を下げる。決して爆笑するようなネタではないが、礼儀正しく頭を下げるところなどは彼の個性に合致したオチとして成立していた。
「自分がバラエティに出る以上は、みなさん(芸人)と同じ立場に立って一生懸命がんばらないといけない」とゴリラのものまねの後に語った織田。もはやここには、「表舞台から消えたい」と思っていた男の姿はない。だが、それはバラエティに味をしめたとか、テレビが楽だからといった理由ではないだろう。彼の言葉にあるように“ただ目の前の課題を一生懸命にこなす”、それが織田にとって自然なことで、バラエティにとって新鮮な笑いとなっているのだろう。泣き顔で人を幸福にする男は、まだまだバラエティ界を席巻しそうだ。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)