たとえば木崎が結婚相手に求める年収として上げた4,800万円という数字は、かつて西川史子が言っていた「年収4,000万円以上が結婚相手の条件」という言葉とはわけが違う。バブル期に青春を過ごし、それなりの金を使ってきた西川と、まだまだ子供の木崎の言う4,000万円という数字には差があり、ある意味で現実離れした金額ともいえる。
また、横山の言った「お笑い芸人」という言葉も、単に女子高生が好きなタイプの男性について話しているだけという印象がある。そして、そんな彼女たちが自由に発言する様子をMCの土田晃之(41)は、「楽屋?」とツッコんでいたが、まさにその通りで、ただの視聴者と同じ目線で一喜一憂する彼女たちと本物の視聴者は同じリビングで談笑しているような気になるのだろう。もちろんそれこそが番組の狙いに違いないし、それを体現し始めた番組の視聴者層はこれからさらに広がっていくことだろう。今後が楽しみなAKBのバラエティがようやく始まった。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)