『笑っていいとも!』(フジテレビ系)でのグランドフィナーレでは、とんねるずとダウンタウンの絡みが実現するなど、ここ最近相次ぐ大物芸人たちの夢の共演。そうした潮流の理由は定かではないが、安定した力を見せているくりぃむしちゅーや、勢いの衰えない活躍の有吉弘行(39)、それに次世代のMC候補として頭角を現し始めたフットボールアワー・後藤輝基(39)などの中堅芸人たちの活躍が、大御所たちの芸人魂に火をつけたとも考えられる。後輩たちに負けていられないと発奮したのではないだろうか。
ビッグ3に続き、お笑い第3世代と呼ばれる芸人たちが長く席巻してきた今のバラエティ界だが、その様相が変化してきているのは誰の目にも明らか。その象徴が『いいとも』の終焉であり、たがが外れたように共演する大物たちの姿ともいえる。前述した中堅クラスの台頭などは、これまで第一線で活躍してきた大御所たちにとっては厳しい現実がやってきたともいえるだろう。しかし、こうした現象はむしろ健全ともいえる。
やがて、今のバラエティのほとんどは次世代の芸人たちに受け継がれることだろう。だがそれは、今の大物たちにとって、番組のメインを張ってきたゆえの責任から解放されることでもある。自由を手に入れることで、広がる可能性もあるだろう。今回、ダウンタウンの番組にたけしが乱入したように、後藤の番組にダウンタウンが突如乱入することもあるかもしれない。そして視聴者の多くは、そんな瞬間を目にするのを望んでいるはずだ。
これまでのパワーバランスが崩れ始めたバラエティ界。何が起こるのか、いっそう目が離せない時代に突入したのは間違いない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)