もちろん、そんなバラエティの流行の中で、オードリーの春日俊彰(35)や狩野英孝(32)らは若手リアクション芸人の筆頭として海外ロケをこなしてはいたが、今回のバイきんぐのような、あまりにも見応えのない、いい意味でバラエティらしくくだらない企画は久しぶりだった。
「今回のバイきんぐの企画についてはわかりませんが、こうした企画が事務所サイドから持ち込まれるケースというのはよくあることです。“うちのタレントは何でもやりますから”“いきなり海外に連れて行っても問題ありません”と売り込むわけです。これだけ多くの芸人さんがいる中で、直接指名される芸人さんというのは少ないですからね。変な話、誰でもいいわけですよ。これからは事務所や芸人さん個人による営業力の差で仕事量は大きく変わってくるのではないでしょうか」(業界関係者)
有吉弘行(39)が冠番組を急激に増やし、フットボールアワーの後藤輝基(39)はピンでゴールデンタイムのメインを務めるなど、徐々に明確になりつつある中堅芸人たちの立ち位置。もはや自分はメインを張れそうにないと悟った芸人たちも多くいることだろう。そんな彼らが活路を見出すとすれば、スタジオのひな壇かロケなどでのVTR出演となる。実力のある中堅芸人があまりにも多い今のテレビバラエティ界で如実になってきた力関係。MCに手が届かない芸人たちによる、過酷でくだらない、そして素晴らしいロケのVTRが量産されそうだ。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
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