視聴率に振り回されているのはどっち!? 囃し立てるネット民と一喜一憂する業界人


「問題は、視聴者のクレームとスポンサーへの配慮ですよ。それでスタッフも委縮しているんです。クレームというのは『子どもがマネしたらどうする!』といったものですね。スポンサーに対しては『企業イメージにそぐわないから』『競合だから』といったもの。もともと、番組を作る人間はテレビが大好きで入った人が多い。イヤならすでに辞めていますしね。だから、テレビが夢だった頃を自分たちも取り戻したいと思いつつ、そういった足かせがあるため踏み切れないんです」(前・同)

 言い訳にしか聞こえないような気もするが、確かに「映画」なら爆破も殺戮もSEXシーンも、年齢制限がつく場合があるとはいえ、基本的には何でもありの世界。ただし、映画館に足を運ぶかどうかはその人次第だ。一方のテレビは「スイッチを入れれば誰でも見ることができる手軽さ」が良さでもあるが、その「万人向け」という特性が、さまざまな規制がかかるこの時代、逆に面白いコトに対するブレーキとなってしまっているのかもしれない。

 それにしても、である。『笑っていいとも!』なき後の「タモロス」が広がる今、『バイキング』が泥船になるのか、それともフジテレビを浮上させる「宝船」になるのか…。まずは、3カ月は黙って見ようではないか。
(文=今井良介)

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