「これは女版『ロッキー』なんです」芳賀優里亜が一糸まとわぬ姿で熱演した美少女バトル映画『赤×ピンク』ついに公開!

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 『私の男』で第138回直木賞を受賞した作家・桜庭一樹が2003年に発表した原作は、その猛々しい格闘描写もさることながら、少女たちの感情を繊細に描いていて官能的でもある。ある日、皐月の前にあらわれた美しい女性・千夏。空手家一門の総帥である夫のDVに耐えかね、この戦いの地へと流れてきた彼女は、皐月の苦悩を自分に重ね、やがて二人は自然に体を重ねる関係になっていくのだ。

──女性が女性を愛する、あるいは女性に愛されるという感情表現は、演技として難しくありませんでしたか?

芳賀:そんなに難しいとは思いませんでしたね。人を愛おしく思う気持ちや惹かれ合う気持ちは、異性どうしであれ同性どうしであれ差はないだろうなって思うので。そのあたりは純粋に感情を置き換えて演じました。

──千夏役を演じた多田あさみさんとのベッドシーンについては?

芳賀:男の方が思うほど、女の子同士って意外とそんなに(ラブシーンに)抵抗はないんですよ。だから変な気づかいもなく、そのシーンは撮り終えましたよ。

いっぽうの芳賀に課せられたのは、大胆な全裸のヌードシーンだ。しかし、ただの濡れ場ではない。皐月は性同一障害という問題に直面し、千夏に惹かれつつ、“女”であると同時に“男”である心的葛藤や、過去のトラウマによって自分に素直になれない感情を、一糸まとわぬ姿で表現していくのである。

──ヌードシーンは演じてみていかがでしたか?

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芳賀:女性目線で書かれた原作と異なり、脚本は男性目線の部分があって、イメージの違いを感じたんです。監督には役作りについてなど、思っていることを素直に伝えました。そのあたりの意見も監督はしっかりと受け止め、取り入れてくださいましたね。このシーンが印象に残るようなシーンにしたかったので。

 しかし千夏との関係も、夫・乱丸によって終止符が打たれてしまう。千夏を奪い返し、さらにはガールズブラッドをも潰そうとする乱丸の暴挙に怒りを覚えた皐月たちは、千夏と自らの居場所を守るべく、乱丸たちの一門に対決を挑むのだ。

 監督は長年ハリウッドでアクション監督として『パワーレンジャー』シリーズ等で活躍し、帰国後は『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説THE MOVIE』(09年)や仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズなどの特撮ヒーロー作品を手がける坂本浩一。

──坂本浩一監督にお会いしたときの印象は?

芳賀:ハードなアクション作品で定評のある監督さんなので、最初は「ちょっと怖い人なのかな?」っていう印象があったんです。でも実際にお会いしてみるといつもニコニコしていて、他人との間に壁を作らないオープンな方で「怖くなかった」って安心しました。なにより監督から「優里亜ちゃんとは一度仕事したかったんだ」とおっしゃっていただき、こちらも演技で不安に思ってることや疑問に思ってることをぶつけて、「私もこの作品で(女優としての)命を賭けるので、監督も一緒に命を賭けてくれますか?」って言ったら「もちろん。一緒に頑張って代表作になるような作品にしましょう」とおっしゃってくださいました。その人柄に惹かれましたね。

 そんな日本のスタントアクションの第一人者である坂本監督の作品だけあって、コスプレ姿の美少女たちによる格闘バトルは大きな見せ場だ。それだけに、芳賀たちに対するアクション演技への要求は相当なものだっただろう。

──激しいアクションが多い作品ですけど、トレーニングとか大変じゃなかったですか?

芳賀:そうですね。本格的なアクション自体やったことがないうえに、事前の練習もそんなに回数が取れなかったんです。実際の撮影のときにスタジオにマットを敷いてもらい、他の人がリング上で撮影してる横でアクションの段取りを決めたりして、出番が来たら「ハイやるよ!」って呼ばれたりして(笑)。

──でも完成した作品は、格闘ものとして醍醐味にあふれる出来でしたよ。

芳賀:そう言っていただけると嬉しいですね。私自身も完成した作品にはすごく誇りがあります。スポ根映画としての高揚感と、ドラマの爽快感を併せ持つ至上のエンタテインメントに仕上がっていて、これってまさに女版『ロッキー』だなって(笑)。

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