■共通の友人が増えすぎた
都内で会社を経営している30代男性の談。セックスフレンド女性とのマンネリ解消目的で、お互いの友人を交えた飲み会をするようになったとのこと。なお、この場合のマンネリとは、プレイのマンネリではなく、「毎回2人きりで会うのも面白味に欠ける」という発想だったようだ。複数名で酒を酌み交わすことにより、2人きりで会っていた時には気付かなかった意外な一面も垣間見ることができ、それがセックスでも良い刺激になったとのこと。
ここまでは良かったが、飲み会の後に2人で消えてラブホに向かうという流れがうまくいかない時もあり、またお互いの友達に「どういう知り合い?」と尋ねられた際、「セックスフレンド」と答えるわけにもいかず、かと言って架空の設定にするのも嘘くさい。そういった経緯で、気付いたらもう何カ月もセックスしない仲になり、飲み会だけを継続しているという。
■近所になりすぎた
A氏(30代・会社員)とB子さん(20代・販売)の場合。セックスフレンド関係になった当初は、適度に家が離れていたため、会うのは中間地点の繁華街にあるラブホテルを利用していた。しかし、半年ほど前にA氏がB子さんの住む街へと引っ越し。近所になったことで、より頻繁に肉体関係を持つことになるかと思いきや、「近所なのだから、いつでもセックスできる」という意識が強まったようだ。お互い、パーソナルスペースが狭いのか、自宅に他者を入れたくない性格も影響しているのかもしれない。近所にラブホテルがないという立地条件も関係しているのだろう。この半年間は、LINEやSNSを介してのやりとりや、食事に行くことはあっても、セックスはご無沙汰とのこと。
■仕事が絡むようになった
フリーのウェブデザイナーC氏(20代)と、広告会社に勤めるD子さん(20代)の場合。ナンパきっかけで親しくなりセックフレンド関係をスタートさせた二人だが、1年ほど経った段階でD子さんがC氏に仕事を依頼。その後も何度か発注が来るようになったが、「セックスに誘うと、仕事を催促しているようで気が引ける」(C氏談)という思いが湧くようになったとのこと。D子さんが終電を逃した際に泊めることはあっても、まさにキス止まり・添い寝止まりだという。
繰り返しになるが、セックスフレンドとはセックスをするための相手である。セックスをしないなら、連絡を取り合ったり、ましてや時間を作って会うのは無駄なのではないか……と思ってしまうが、あえて縁を切らないのは「誰かとつながっていたい」という現代人特有の思考なのだろう。
(文=菊池美佳子)
菊池美佳子(きくち・みかこ)
1977年3月17日生まれ。岩手県盛岡市出身。21~29歳の間、キャバクラ嬢・テレフォンセックス嬢・企画物AV嬢としても活動。引退後、文筆業に転身。
■著書:『2010年代 ニッポンの風俗』/『つけちゃうぞ! 大人の保健体育』
『テレフォンセックス裏物語』/『Sの妹Mの彼女』