ロシア特集に西荻窪で対抗! 自由すぎるテレビ東京が大躍進しているワケ


「他局はテレ東とは予算がケタ違いですから冒険できない。視聴率も『ゴールデンなら二桁』が命題としてあり、ハズレ番組を作れば担当者は責任問題となって立場を失います。現場はヒット番組を作るよりも『失敗しない』という方向に流れがちですから、どこかで見たような内容の手堅い番組になってしまう。出演者も吉本芸人やジャニーズタレント、AKBにEXILEと変わり映えしない。これでは視聴者も飽きてしまいます。一方、テレ東はゴールデンでも視聴率7%以上ならヒット。5%前後でも打ち切りや責任問題になりません。失敗を恐れずに番組作りできる環境が、テレビマンの自由な発想を引きだしているのです」(制作会社関係者)

 潤沢な予算で豪華な番組作りをしたからといって、視聴率が稼げるわけではない。当たり前のようでいて実践するのは難しいことだが、それもテレ東が証明してしまっている。

 2月1日、TBSはソチ五輪に絡んで夜9時からの看板番組『世界ふしぎ発見!』で大々的な海外ロケで構成したロシア特集を放送した。一方、その裏番組であるテレ東の『出没!アド街ック天国』は西荻窪を特集。この異色対決の結果は、双方とも平均視聴率9.8%で引き分けだった。しかし、掛かった予算や手間を考えればテレ東の勝利といえるだろう。

 業界内でもテレ東に対する見方が変わってきたようだ。先日、テレビ東京開局50周年特別企画としてジャニーズ事務所の所属タレントが日替わりで司会する生番組『トーキョーライブ!~23:58の生放送~(仮)』の制作が発表された。NEWSの小山慶一郎、TOKIOの松岡昌宏、嵐の相葉雅紀、Kinki Kidsの堂本剛、関ジャニ∞の安田章大が各曜日を担当し、2週間限定で放送される。この発表は業界関係者にとって大きな意味を持つという。

「今までジャニーズ事務所は、テレ東の番組ではブレイク前のグループを出演させる程度しかしなかった。人気が出てくればフジや日テレなどに出演させ、テレ東はお役御免という流れでした。しかし、今回は特別企画とはいえ一線級の所属タレントを投入している。大手事務所の間でも、躍進を続けるテレ東に対する目が変わってきているといえるでしょう」(芸能関係者)

 あまりの好調ぶりに大手も擦り寄ってきたようだが、これが“いつものテレ東”という安定感を崩壊させることにもないかねない。他局と同じようなメンツの番組を乱発するテレ東は見たくない。今後も慢心せずにチャレンジ精神あふれる番組作りを続けてほしいところだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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